こんにちは、ママ薬剤師M子です!今回は、子どもが溶連菌にかかかったかのポイントやそもそもどんな病気なの?という部分を、薬剤師として、ママとしての経験をギュッと詰め込んでお届けします。

溶連菌は「ただの、のど風邪」と思われがちですが、実は「飲み切らなきゃいけないお薬」に一番のポイントがある病気なんです。

1. 溶連菌感染症(正式には溶血性連鎖球菌感染症)ってどんな病気?

原因は「A群溶連菌(A群β溶血性連鎖球菌)」という細菌です。溶連菌は、その文字の通りウイルスではなく「細菌」なので、抗生物質で治療できることが特徴です。

- 溶連菌はインフルエンザのように色々な型を持っています。その中でも最も多く一般的な溶連菌感染症が、「A群溶連菌(A群β溶血性連鎖球菌)」によるものです。
- 子どもだけではなく溶連菌感染は、抵抗力の弱った大人でもありえます。ママパパも要注意です!
- どうやってうつる?: 咳やくしゃみによる「飛沫感染」と、菌がついた手やタオルを介した「接触感染」があります。
- 潜伏期間: 2〜5日ほどで発症します。
- 流行の時期: 以前は冬から春が中心でしたが、最近は季節を問わず流行しています。(参考1)
- 対象年齢: 主に5歳〜15歳の子どもに多いですが、大人もうつります。
- 2歳以下の乳幼児は、典型的な症状ではなく「長引く鼻水と発熱」で出ることもあるので注意が必要です。

注意したいことは、誰かが溶連菌に感染すると、別の身近な人が感染し、症状がないまま過ごしている場合があります(保菌者といいます)。症状が出なければ治療は基本行わないため、知らない間に、また別の人に感染していく可能性もあります。一人でも溶連菌の症状が出たら感染予防が大切です!
ただ、我が家の通う保育園では、感染症の名称と人数が掲示板に貼り出されるので注意して見てますが、マスクなどもできない集団行動の中なので完全に防ぐのは難しいです・・・
2. 子どもの症状、これって溶連菌?「症状チェックリスト」と検査

次に、普通の風邪症状とは異なり、溶連菌かなと思う見分けやすいポイントがあるので、一般的な情報をお伝えしますね。
主な症状
- 38℃以上の高熱とだるさ
- のどの激しい痛み:真っ赤に腫れ、白いブツブツ(白苔)がつくこともあります。
- 苺舌(いちごじた):舌が赤くブツブツになります。
- 全身の発疹:手足、お腹、背中などに小さくて赤い点々が出ます。かゆみを伴うこともあります。
- 【重要】鼻水や咳がほとんど出ないことが多いです!

うちの娘は、のどの赤みとお腹の発疹のあとに熱が出て「いちご舌」に。一方、息子は頭痛とのどの痛みから。同じ家族でも症状が全然違ったので、最初は同じ病気だと思いもしませんでした。
病院での検査
病院での検査の多くは、のどを綿棒でぬぐって行う「迅速検査」で、10〜15分ほどで結果がわかります(検査は医師の指示のもと行われますので、必ず行われるわけではありません)。
「迅速検査」よりも精度が高い「培養検査」もありますが、検査結果がでるのに数日かかることもあり、「迅速検査」で陰性がでたけど、やっぱり怪しい・・という時など、必要に応じて行われることがあります。
のどの痛みがひどい場合は、我慢せず(させず)に早めに小児科または耳鼻科を受診しましょう。

娘はまだ流暢に話すことができないので、今回、「どこが痛い」とは伝えることができませんでした。上に書いたような明らかな症状が出れば判断しやすかったですが、本当は娘も喉がとても痛かったのかもしれません・・いつもの元気や食欲がないときには、早めに受診しよう!と切に思いました。
3. 薬剤師が解説!お薬の種類と「10日間」の理由
溶連菌の治療には抗生物質を使うことが多いです。ここでママ・パパを大変にするのは、お薬を飲む「期間の長さ」です。
お薬の種類にもよりますが、多く使われるペニシリン系(サワシリン等)は10日間を1日3回服用(計30回)します。
なぜそんなに長く飲むの?
通常は、抗生物質を飲み始めると、24時間程度でまわりへの感染力がなくなり、2〜3日で症状はスッと消えてしまいます。 でも、のどの奥にはまだ「しぶとい菌」が隠れています。
症状次第で薬をやめてしまうと、菌が再び増えて悪さをし、数週間後に重い「合併症」を引き起こす可能性があります。
子どもが溶連菌感染症になったときによく使われるお薬の種類
病院では主に以下の2つのパターンで処方されます。
- ペニシリン系(例:サワシリンなど):【10日間】服用。
- 溶連菌に対して最も効果が安定しており、合併症の予防効果がしっかり証明されている「第一選択」のお薬です。
- セフェム系(例:メイアクトなど):【5〜10日間】服用。
- ペニシリンアレルギーがある場合や、10日間飲むのが難しい場合などに選ばれることがあります。
お薬の飲ませ方について薬剤師とママとしての感想と飲ませかた
- 薬剤師の立場から言うと、「症状が治まっても、菌を根絶やしにするまでが治療」です。ので、何が何でも飲んでもらいたいです。
- ママの立場から言うと、「かなり疲れます」。が、残りのお薬をチェックしながらお薬の袋が空っぽになる日を目標にして、飲み切りましょう。
- 1日3回なので(2回ででることもありますが)、昼間、園に通っているときは、帰ってから昼分をすぐに飲ませ、4時間程度後に3回目を飲ませてください。
- 17時に帰ってきたら、21時前後にもう一度服用のイメージです。寝てしまうと飲めないので少し早まる分には問題ないですが、次に飲むまで、1日3回服用のときには4時間以上、1日2回服用のときは6~8時間はあけることを目安にしましょう。
- ただし、飲み忘れてしまったからといって2袋(2回分)をまとめて飲ませるのは、作用が強く出たり副作用が起こるリスクがあるためNGです。

でも、もし夜お薬を飲まずに眠ってしまったら・・そのときは仕方がないのであきらめて、次の朝から(親が)新しい気持ちに切り替えて飲ませるようにしましょう!
4. 溶連菌との「合併症」の怖さ
溶連菌そのものの症状が消えたあと、1〜4週間ほど経ってから現れる病気を防ぐことが、10日間飲み切る最大の目的です。代表的な合併症を以下に書いてみます。
① 急性糸球体腎炎(PSAGN)
- どんな病気?: 腎臓のフィルターが炎症を起こします。
- サイン: 目のまわりのむくみ、おしっこの色がコーラや紅茶のように茶色くなる(血尿)、尿量が減るなど。
- 対策: 治療が終わった後に「尿検査」を勧める病院が多いのは、この腎炎を早期発見するためです。(最近では抗生剤をしっかり飲みきることで予防効果が高くなってきているので、尿検査を行わないところも増えてきたようです)
② リウマチ熱
- どんな病気?: 心臓の弁や関節に強い炎症が起きます。
- サイン: 長引く発熱、関節の腫れや痛み、心臓の違和感など。
- 対策: ペニシリン系のお薬をしっかり飲み切ることで予防できるとされています。
まとめ:10日間のミッションで、子どもの健康を守ろう!
子どもが溶連菌にかかったときは、「早めの受診」と「お薬の完遂」で、怖い合併症の多くを防ぐことができます。
10日間(症状によってはそれ以上)もお薬を飲ませるのは、仕事や育児で忙しいママ・パパにとって本当に根気がいることです。でも、その1回1回がお子さんの心臓や腎臓、健康を一生守るための大切なケアになります。
ありふれた菌ですが、病気になると子どもにとってはかなり大変な菌。お薬を飲み終えた後、元気に走り回るお子さんの笑顔のために、一緒に頑張りましょうね。みんなの健康が保たれますように!
最後までお読みいただきありがとうございました。
ママ薬剤師M子



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