こんにちは、ママ薬剤師のM子です。防風通聖散シリーズの今回は、気になる防風通聖散の副作用についてお伝えしてきます。

この記事では、「どんな副作用があるのか」、「どんな人が注意した方がいいのか」を、できるだけわかりやすく整理していきます。
防風通聖散の副作用の頻度について
では、早速ですが、防風通聖散の副作用ってどの程度あるんでしょうか?
実は、ツムラの防風通聖散の添付文書およびインタビューフォームでは、副作用の発現頻度は示されていません。重大な副作用・その他の副作用のいずれも、「頻度不明」 と記載されています(参考1)。

「頻度不明」なだけで、副作用が起きていないわけではありません。つまり、副作用の発生が多いのか少ないのかについても、調査がなされていないということです。添付文書やM子の経験などから、起こりうる副作用について次に解説していきます!
防風通聖散でみられる主な副作用

続いて、主にみられる副作用について、大きく3つに分けて説明していきたいと思います。
① 消化器系の副作用(もっとも多いです)
- 食欲不振、胃部不快感、悪心・嘔吐、腹痛、軟便・下痢

以前にも説明した通り、防風通聖散には、大黄や芒硝といった 便通を促す生薬 が含まれています。
そのため、もともと便秘でない方や胃腸が弱い方では、下痢や腹痛が出やすい傾向があります。
そのため、便が少しゆるくなる程度では問題ないかもしれませんが、
水のような下痢や強い腹痛が続く場合は、服用を中止して受診してくださいね。
② 自律神経・循環器系の副作用
次に、麻黄に含まれる成分の影響で、交感神経が刺激されることがあり、以下の副作用が発生する可能性があります。
- 不眠、発汗過多、動悸、頻脈、精神的な興奮感

高血圧、心臓病、甲状腺機能亢進症のある方では、症状が出やすくなることがあります。夜に飲むと眠れなくなる方もいるかも!?服用タイミングにも注意が必要です!
③ 泌尿器系の副作用
お通じが出やすくなることの多い防風通聖散ですが、おしっこの出方に影響が出てしまうこともあります。このような症状が出た場合には、一度医師や薬剤師に相談するようにしましょう。
- 排尿障害、尿が出にくい感じ
その他の特に注意したい重大な副作用
次に、説明するのは、防風通聖散に限らず漢方薬全般に言えるものもありますが、以下の症状が生じた場合には早急に対応する必要がある危険な症状なので、ぜひ知っておいていただきたいです。
①副作用名:過敏症(アレルギー)

発疹やかゆみが出た場合も、いったん服用を中止し、すぐに医療機関へ相談を!呼吸困難などがあれば、緊急の対応が必要です。
②副作用名:間質性肺炎

風邪と間違えやすいので判断が難しいですが、呼吸がつらいと感じたら早めの受診をお勧めします。
③副作用名:偽アルドステロン症・ミオパチー
甘草の影響で起こることが多いです。

利尿薬やステロイドを併用している場合は、特に注意が必要です。そして甘草は、漢方薬の調整でほとんどのエキス剤に含まれています。
④副作用名:肝機能障害・黄疸
これはとても危険な症状なので、これらの症状が出た場合は、速やかに受診してください。
⑤副作用名:腸間膜静脈硬化症
山梔子の長期服用で報告されています。
長く服用している方で、お腹の症状が続く場合は要注意です。
副作用が出やすい体質・背景
防風通聖散は、体力があり、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちな方 に向く処方です。ですので、このような体質とは異なる体質の方には作用が強く出過ぎる可能性があるため注意が必要です。防風通聖散にあまり向かない体質の方の特徴をまとめましたので、参考にしてみてください。
- 胃腸が弱い方
- 冷えやすく、体力がない方
- 便秘ではない方
- 高血圧・心臓病・腎臓病をお持ちの方
- 甲状腺機能亢進症の方
- 高齢の方※体力が落ちてくる傾向があることと、ほかのお薬を多く飲まれている傾向があることから飲み合わせの点で注意が必要なので記載しています
生薬ごとの注意ポイント(副作用の視点から)
これまでの、副作用の種類から注意点を解説していましたが、各生薬別に、その副作用とポイントを見ていきたいと思います。他の漢方薬を選ぶ際にも役に立つ内容かなと思います。
- 麻黄
副作用:不眠、動悸、血圧上昇。
ポイント:市販のかぜ薬にも含まれることがあり、重複に注意が必要です。 - 山梔子
副作用:長期服用で腸間膜静脈硬化症の報告があります。 - 大黄
副作用:刺激性下剤。
ポイント:量を増やすと下痢が強く出やすい。 - 芒硝
ポイント:塩分を含む場合があり、食塩制限中の方は注意。 - 甘草
副作用:長期服用で偽アルドステロン症リスクが高まります。
ポイント:利尿薬・ステロイドとの併用でリスク上昇。

甘草は「百薬の毒を消す」と言われ、生薬同士を調和させる大切な役割も持っています。注意点だけでなく、ありがたい側面も知っておきたい生薬ですね。
西洋薬との併用で注意したい点
次に、漢方単独だけでなく、西洋薬との飲み合わせで注意が必要なポイントをお伝えします。効果が増幅される、または、効果が低減してしまうことがよく言われる組み合わせをご紹介します。
- 甘草 × 利尿薬・ステロイド
効果増幅:むくみ、血圧上昇、手足のしびれなどが起こりやすくなります。 - 麻黄 × 総合感冒薬・鼻炎薬
効果増幅:不眠や動悸などの症状が強く出ることがあります。 - 石膏・滑石 × 抗菌薬(ニューキノロン系・テトラサイクリン系)
効果低減:抗菌薬の吸収が低下してしまうため、どちらも飲む必要がある場合には、抗菌薬を先に服用し、2~3時間あけて防風通聖散を飲む必要があります。 - 医療用防風通聖散とOTC製品の重複
効果増幅:ナイシトールは中身がまさに防風通聖散です。中身を知らずに購入すると知らない間に同じお薬を通常よりも過量に飲んでしまうことになりかねず、副作用リスクが高まるため、OTCを購入する際はしっかり中身を確認するか、説明してもらうようにしましょう。
まとめ
まとめると、防風通聖散は、体質に合えば心強い漢方薬ですが、副作用がまったくない薬ではありません。
- 副作用の頻度は「不明」
- 体質差が大きい
- 生薬や飲み合わせによってリスクが変わる
- 西洋薬との併用にも注意する必要がある
という特徴があります。
「漢方だから大丈夫」と思い込まず、体の変化に気づき、早めに相談することが、安全に使うための一番のポイントです。
不安な点や、飲んでいて体調が悪いと感じたら、無理して続けずに、まずはかかりつけの医師または薬剤師にぜひ相談してみてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。だれかの安心につながりますように。
ママ薬剤師M子




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