膣カンジダの治療に役立つ情報!ママ薬剤師がわかりやすく解説します

処方薬
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こんにちは。マミムメデイ薬剤師M子です。

梅雨時期になると、天気が安定しないせいか、頭痛が辛くてお薬を探しに来られる女性がとくに多かったのを思い出します。 

また、頭痛とは別に、何度かご来局されてよくお話をするようになった方から、実は「陰部がかゆいんですが、言い出しにくくて・・」とご相談を受けることもあります。 

頭痛、体の痛み、胃の痛みなど、男女問わず起こる症状は受診しやすいですよね。でも、陰部の痒みって・・辛いけど、受診するほどの症状なのだろうか、婦人科に行くことも、検査することさえもなんだか恥ずかしいし、 という方が、受診できず、他にお話ができる医療従事者である(M子のような)薬剤師に相談していただいてます。 

M子は、そういった相談をしていただいてとても嬉しいです。ご本人はお辛いと思いますが、信頼していただけているのと、その方のために何らかのご提案ができる機会が設けられたと思うと嬉しいです。もし、同じような症状で困られている方がおられたら、一つの参考にしていただけたらと思い記事にしてみました。 

ママM子
ママM子

薬局では、処方のお薬以外でもこのように、いろいろな悩みを相談できる場所であったらいいな、そんな薬剤師になりたいなとM子は常々思っています

今回、 この記事で、「①カンジダ膣炎について、②カンジダ膣炎の治療薬について」、そして次の記事で「③薬局でどんな対応をしているのか」についてまとめました!

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カンジダ膣炎について

冒頭でご相談を受けることがある、とお伝えしましたが、薬剤師は「カンジダかどうか」の診断はできません。 ご来局された方の症状をお聞きして、必要そうであれば受診を促したり、担当医へ患者さんの承諾をもって情報を伝えさせていただいたり、ご紹介できるお薬があればご紹介したりします。 

陰部の痒みには、原因が様々あり、蒸れや下着の締め付けなどからくる「かゆみ」と、原因菌による「感染症」の二つに大別されます。そして、「感染症」の中でも、意外と身近な存在である、” カンジダ膣炎”で悩まされている方が結構多いです。そしてこのカンジダ膣炎による痒み、尋常ではありません。 

M子
M子

実はM子も、この感染症によく罹ってしまいます。とくに疲れたり無理をしたりすると、よく風邪をひきますが、それに伴って、カンジダ膣炎になることが多いです。

カンジダ膣炎って何?

そもそも、 カンジダ膣炎って何?と思われる方、いらっしゃるかもしれません。実は、女性の15%~40%に常在する真菌が影響する、誰にでも起こりうる病気なのです。 

カンジダ膣炎とは、膣に、カンジダCandidaという真菌(通常はカンジダ・アルビカンスCandida  albicans)が感染する、カンジダ症と呼ばれる真菌感染症のことです。 

妊娠、糖尿病、免疫機能の低下、子宮内避妊器具の使用、通気性の悪い、きつい下着の着用、抗菌薬の使用などが原因となることが多いです。症状としては、膣や外陰部の痒みがあり、多くは、カッテージ状の白色の分泌物が見られます。月経の直前に発症しやすいと言われています。

https://msdmnls.co/3pysK8V(腟の真菌感染症(腟カンジダ症) – 22. 女性の健康上の問題 – MSDマニュアル家庭版)からM子抜粋編集

カンジダ膣炎の治療薬ってどんなものがあるの?

抗真菌薬単味のクリーム、膣坐剤、錠剤、カプセル剤などを使用します。 

処方せん医薬品の種類をまとめると、 

  • イソコナゾール(商品名:アデスタン膣錠:300mg、クリーム:1%10g) 
  • オキシコナゾール(商品名、オキナゾール膣錠100mg,600mg) 
  • クロトリマゾール(商品名:エンぺシド膣錠100mg) 
  • ミコナゾール(商品名:フロリード膣坐薬:100mg) 
     膣錠に関しては、1日1回を6日間あるいは1回だけ挿入するタイプがあります。
  • フルコナゾールカプセル
    フルコナゾールカプセルは内服で治療を行い、成人において、150mgを1度のみ内服します。

    などがあります。 *1 膣坐剤と膣錠はどちらも膣に使用し、肛門に使用する坐剤とは異なります。

いずれの治療も、再発することはあるものの、1-2週間でほぼ治ると言われています。 

カンジダ膣炎に使用されるお薬は、膣錠やクリームが多いですが、内服は、日本ではフルコナゾールカプセルが2015年に適応が追加され、膣カンジダに使用できるようになりました。

フルコナゾールは他のお薬との相互作用が多く、睡眠薬や片頭痛治療薬など数多くのお薬と一緒に使えず(併用禁忌)、妊婦にも使用できません。注意することが沢山ありますが、副作用は重度のものは、ほぼ発生せず(下痢とむかつきが100人に2人くらい)、飲むことで治療ができること、高い有用性が証明されていることから、海外と日本のガイドラインでも推奨されている方法です。* 2

膣剤で痛みや刺激感を感じて、治療ができない方もおられるので、そのような方には、1度内服するだけで効果がある治療というのは、とてもありがたいことだと思います。お薬の値段は膣錠よりも高くなりますし、副作用や相互作用にも注意が必要です。そのため、医師の判断に依るところが大きなお薬ですが、使える治療法の一つです。 

現在では処方せん医薬品の他に、薬局で購入できるお薬(OTC)もあります。ただし、初めて膣カンジダになった方は受診する必要があるなど、他にもいろいろな縛りがありますのでチャートにしてみました。 

まず、①がまんできない痒みやおりものの変化など、膣カンジダの症状が疑われた場合、初めての場合は病院を受診します。
膣カンジダは再発することがあり、膣カンジダの症状が再び出てきた場合には、新たに治療が必要になってきます。受診して、医師にしっかり症状を診てもらうのが一番だと思いますが、症状によっては自分でお薬を購入して症状を和らげる(セルフメディケーション)ことが可能な場合もあります。
頻回に症状を繰り返している、熱がある、嫌な臭いを伴う、妊娠している、または、妊娠している可能性がある、糖尿病などの持病がある場合などは、別の病気だったり、他の症状も併発している可能性があるため、病院を受診していただく必要があります。

一方で、以前かかったときとほぼ同じ症状で、膣カンジダにほぼ間違いないという方は、薬局やドラッグストアに販売されているお薬で対応が可能なこともあります。

今回はここまでとさせていただき、次回は実際にM子が薬局でカンジダと思われる患者さんにお会いした時の対応について参考までに書かせていただきたいなと思っています。

最後までお読みいただきありがとうございました。

薬剤師M子

参考/参照文献

  1. 治療薬マニュアル2023,p2027-2028
  2. 日本皮膚科学会誌:129(13),2670,2019

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