初めまして、ママ薬剤師M子です。初めての記事は今回は、子どもにも処方されるムコダイン・ムコソルバンについて書いていきたいと思います。
子どもって季節的の変わり目に、気温差で風邪をこじらせてしまうことありますよね。熱が出たり、鼻水・咳も出てきたり。良くあるのは、熱が下がっても、しつこい痰がらみの咳や鼻水は、困りものです。
そんな痰が絡んだり、鼻水が続くときによく見かける処方についてご紹介します。
鼻水・痰切には”ムコムコ”・”MM”処方
ある先生はムコムコ処方と言ったり、また別の病院ではMM処方といったりするくらい、双子の用に有名な痰切りの処方薬で”ムコダイン” と “ムコソルバン” の2つがあります。
“ムコダイン”は「カルボシステイン」、“ムコソルバン”は「アンブロキソール」で処方する一般名処方が主流になり、あまり先生方も商品名で呼ばれなくなってきました。
この2種類は小児科・耳鼻科・内科でよく処方されていて、個人的には、子供が風邪に罹った時や自身の体調を崩した時にも、かなりお世話になっています。
ここで今回は、風邪や鼻炎などで、鼻水に相まって痰が絡むときに処方される「ムコダイン、ムコソルバン」ついて3回に書いていきます。
「作用(効き方)の違い、用法・用量・形態について」を本記事で、「服用するときの注意や子供への飲ませ方」、「妊娠・授乳時に使用できるか」を別記事でまとめてみたいと思います。
ムコダイン・ムコソルバンの作用(効き方)の違い
まず、ムコダインとムコソルバン、薬の説明書である添付文書に書いてある表現でいうと、どちらも、ほぼ同じ表記で「気管支炎などの去痰、慢性副鼻腔炎の排膿など」とあります。
ムコダインとムコソルバンの効果効能は?
↓ムコダイン錠の添付文書(効果効能部分のみ)
○下記疾患の去痰
ムコダイン錠250mg/ムコダイン錠500mg – https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2233002F1174_1_02/?view=frame&style=SGML&lang=ja
上気道炎(咽頭炎、喉頭炎)、急性気管支炎、気管支喘息、慢性気管支炎、気管支拡張症、肺結核
○慢性副鼻腔炎の排膿
↓ムコソルバンの添付文書(効果効能部分のみ)
○下記疾患の去痰
急性気管支炎、気管支喘息、慢性気管支炎、気管支拡張症、肺結核、塵肺症、手術後の喀痰喀出困難○慢性副鼻腔炎の排膿
ムコソルバン錠15mg – https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2239001F1696_1_02/?view=frame&style=SGML&lang=ja
でも、実際には作用が全く異なります。
ムコダインとムコソルバンはどう効くの?
まず、ムコダインの働きは、
痰はムチン(粘液糖蛋白)と水から出来ていて、痰の粘りの元になっている物質がムチンです。ムコダインはこのムチンが発生することを抑えます。つまり、粘液そのものの産生を減らして、痰や鼻水を減らすことができるお薬です。
一方、ムコソルバンは、
肺サーファクタント(気道粘膜の滑りをよくする役割がある)の分泌を促すことによって、気道粘膜表層の痰を滑りやすくさせる作用があります。そうすると、痰が外に出しやすくなります。自覚症状としては、のどに詰まってイガイガするような感じを軽くすることができるお薬です。
つまり、痰がたくさん出てきて辛い、鼻水が多く出る方には「ムコダイン」で原因を減らして、痰がのどにひっかかって切れづらい方には滑りやすくする「ムコソルバン」が向いていると言えます。1
また、異なる作用の、この2つの薬を同時に使うことは、とても意義のある使い方と言われています。2実際に、症状がひどい方には併用して処方されることも多いです。
用法・用量・形態
次に、「用法・用量・形態」ですが、ムコダイン・ムコソルバンともに大人だけでなく、小児にも使われることが多いので、錠剤、ドライシロップ(粉薬)、そして、シロップ(水薬)があります。
ドライシロップやシロップは小児で使うこともので、体重により増減があります。
錠剤はムコダインは1種類、ムコソルバンは2種類(1日1回のもの、場合によって最大3回までのもの)があるのが異なりますね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
次回は、ムコダイン・ムコソルバンの子供へ飲ませ方などです。
ママ薬剤師M子
【参考文献等】- 倉原 優 (2016). 呼吸器の薬の考え方,使い方 ver.2 中外医学社 [↩]
- 近藤 光子 (2013). 去痰剤 ドクターサロン 57(1.2013)[↩]
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