こんにちは、ママ薬剤師M子です。今回は、ロキソニン(一般名:ロキソプロフェン)が処方されたときに「食前ではなく食後に飲んでくださいね」と、薬局では必ずといっても良い程よく言われるこのフレーズ。
今回はこの、ロキソニンがなぜ食後に服用しないといけないか、について詳しく書いていきます!

シリーズ物がおおいですが、今回は単発QAです!
ロキソニンはなぜ食後を指定されるのでしょうか?
病院で先生から指示される飲み方として、食前・食後・食間(食事と食事の間)などがあります。そして大体のお薬は、飲み忘れ防止や胃の負担軽減などの目的から、食後を指定されていることが多いです。その中でも、何故ロキソニンの時には「必ず食後」と言われるのでしょうか。
ロキソニンの食後服用が適しているわけ
ロキソニンは、「消炎鎮痛薬」という「炎症を鎮め、痛みを和らげる」効果を持つNSAIDs (Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugsの略:非ステロイド性抗炎症薬)というお薬として有名ですね。
ロキソニンはほぼ全身の炎症による痛みに効果を示してくれますが、その理由は、ロキソニンを飲んだ後、小腸から吸収されて血液にのってお薬が全身に回り、体のいろいろな部位の細胞の中で、プロスタグランジンといわれる物質が作られないようにすることで効果を発揮してくれるからなのです。詳しくは、以前の記事を併せてお読みいただけると理解が深まると思います。


ただし、ロキソニンは、実は胃に負担がかかりにくいように設計されたお薬です(プロドラッグと呼ばれます)。
飛行機で目的地まで行く工程を想像していただくと良いのですが、
- 服用時胃に到着
薬の効果は基本的に発現しない。
(出発元の空港に到着した状態) - 小腸到着小腸で吸収される
未活性のまま吸収
(飛行機で目的地まで運ばれる状態) - 各部位へ痛みのある部位へ到着
活性されて解熱・鎮痛効果発現
(目的地=痛みのある場所へ運ばれた状態で活動開始)

胃では効果は発現しないとはいえ、完全なものはなかなかないわけで、胃でもわずかですが吸収はされてしまいます。
ロキソニンはどのくらいで効果がでてくるの?
では、飲んでからどのくらいでロキソニンは効果が出てくるのかについては、添付文書上は以下の記載があります。
「ロキソプロフェンナトリウム錠60mgを単回経口投与したところ、速やかに吸収され、血中にはロキソプロフェン(未変化体)のほか、trans-OH体(活性代謝物)の型で存在した。最高血漿中濃度に到達する時間はロキソプロフェンで約30分、trans-OH体で約50分であり、半減期はいずれも約1時間15分であった」(参考1)

簡単に伝えると、「飲んでからだいたい30分~1時間くらいで効果を感じることができるが、1時間15分後にはお薬の効果が半分はなくなり、その後効果も徐々になくなっていくだろうと予測できる」ということだそうです。
患者さんには、「痛みの種類や個人によってそれぞれ異なりますが、ロキソニンが効く痛みであれば、30分~1時間くらいたってから痛みが和らいできたなと感じられる方が多いです」とお伝えすることが多いです。
ちなみに、今絶賛寝違え中のM子は「服用したときは45分くらいで楽になってきたと感じ、2時間半くらいしたら痛みがまた出てくる感じ」でした。
M子が薬局でロキソニンを調剤するときに多く聞かれること!
では、ここから、M子が薬局でよく聞かれる「ロキソニンを食後に飲んでください」ということに対しての質問を3つピックアップしました。
どのくらい食べたらいいんですか?

しっかりごはんをたべた後でないとだめですか?時間がないときはどうしたらいいんですか?

しっかりとごはんという感じでなくとも、ロキソニンが直接胃に触れないようにするクッション代わりの役目を果たせれば良いので、少しでも食べ物や飲み物を胃に入れておくという感覚で良いと思います。時間がなければ、おにぎり、チーズ、外出先とかですとコンビニのビスケットやホットスナック等で対応してみてください。
飲み物でもいい?

痛みがつらくて食欲がないんです。飲み物でもいいですか?固形物は必要?

そういうときもありますよね。クッション代わりとしては固形物の方が安心ですが、水や牛乳などの飲料を飲んでもらうだけでも胃への負担は軽くできます。牛乳と飲み合わせの悪いお薬もありますが、ロキソニンだけであれば問題はないです。お腹が空きすぎて胃酸が過剰にでるのを防ぐため、負担のない範囲で飲んでみてください。
胃薬と併用で処方

胃薬もでてるから、そこまで食後にこだわらなくてもいいかね?

確かに、胃薬(ムコスタ等)が出た場合は、安心してしまいますよね。ムコスタなどの粘膜保護をしてくれる胃薬は、胃を守ってくれるのですが、ロキソニンは胃にやさしいタイプのお薬といえど直接胃を荒らしてしまうこともあるお薬です。食事をすることで、ロキソニンからの直接的な胃への刺激を軽減できますので、食後が望ましいです。
ロキソニンと胃薬について
では、胃薬ってロキソニンと相性はどうなの?ということに対して、ムコスタなど胃粘膜保護薬のみでは、胃が弱い人などでは胃腸障害が起きてしまうことがあるという観点から、ガスターなどのH2ブロッカーまたはプロトンポンプインヒビター(PPI)などの胃酸分泌抑制薬を併用することも進められているようです。

胃薬はいろんな種類がありますが、単なる胃薬だからと油断・遠慮せずに、病院や薬局では正直に飲んでいるお薬は全部伝えくださいね!
ロキソニンを食後に飲むことのまとめ!
今回はロキソニンをなぜ食後に飲むべきか、というお話を書きました。今日のポイントをもう一度おさらいします!
ロキソニン服用のポイント!
急な痛みがある時は、「すぐにでも飲んで楽になりたい!」と思いますよね。でも、ほんの少しだけお薬の飲み方を工夫するだけで、胃への負担をぐっと減らして、自分の体を守ることができるんです。痛み止めを飲めなくなると、またその先が辛いですからね・・・
最後にもう一つ!!
ロキソニンを飲むと胃に負担がかかるから飲むときは食後で!とお伝えしましたが、処方されるときは1回だけというものではないはずで、ある程度1日3回、5日分などまとめて処方されることが多いと思います。
食後についての話をさせていただきましたが、何日も続けて飲む場合は、飲んで薬が効いている間もずっと、胃を守るはずのプロスタグランジンがロキソプロフェンのせいで作られにくくなっており、胃は荒れやすい状態にあるということに注意していただきたいです。

M子が腰痛などでロキソニンを1日3回続けて飲むことになったら、どんなに胃薬を一緒に、しかも食後に飲んでいたとしても3日後には胃がキリキリ痛くなってしまいます。胃のつよさは人によるので、一概には言えませんが・・そういう人もいるので、1日に飲む回数を減らしてみるとか、他の種類の痛み止めに変更するなど、自分に合った飲み方をぜひ医師・薬剤師に相談してみてください。
なかなか薬局でここまで丁寧にお話できる機会がないので、詳しく説明してみました。
誰かのお役に立ちますように。
最後までお読みいただきありがとうございました。 ママ薬剤師M子




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