M子娘がマイコプラズマ肺炎で入院したときの体験談【ママ薬剤師M子】

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前回M子娘が、マイコプラズマ肺炎で入院するまでの経緯を書いてみました。今回は、M子娘の入院について不安だったこと、困ったことについてその経験を書いていきたいと思います。(長めです・・)

ママM子
ママM子

M子の感想ばかりなのですが、入院中は本当に回復するか不安で藁にもすがる思いでした。そのような中で、私が入院している娘をケアし携帯をさわることもままならない一方で、夫は仕事の合間に、回復した人はいないかと検索してくれていました。なので、同じ症状で苦しんでいる人に回復したケースもあるよ、ということを伝えたくて記事にしました。

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マイコプラズマ肺炎の入院での経験談の項目

前回も書きました(一部追加しました)が、主に以下の5点に不安や困ったことがありました。

  • ①点滴の治療を始めてから咳・痰などの症状がなかなか回復しなかったこと。
  • ②SpO2(酸素飽和度)値が90を下回ったのは初めてだったこと。
  • ③痰の吸引時の流血が多く痛々しくて、痰吸引の呼び出しボタンを押すのが怖かったこと
  • ④入院前に苦いお薬(プレドニン)を処方され、好きだったお薬を全く飲まなくなってしまったこと
  • ⑤寝ている間にお風呂や洗濯などをすませなくてはならないこと。
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入院中不安や困ったことについて

マイコプラズマ肺炎で入院中に不安だったこと2_Mko_Hospitalized_mycoplasma_

上で、今回書いていく項目を書いていきましたが、ここから詳細を書いていきたいと思います。

①入院しても症状がなかなか回復しなかったこと

入院時検査の結果、娘は、マイコプラズマ肺炎とは別に、他の細菌による感染症を併発している可能性が高く、脱水もあると説明を受けました。

そして、電解質の輸液(体の成分に近い組成)を点滴しながら、ステロイド(炎症を鎮めるお薬)と抗生剤2種類(入院時のみ使えるお薬)を8時間おきに注射で、加えて、3時間おきの気管支を拡げるお薬の吸入が始まりました。

入院するくらいなので、「なかなか治らない」のは当たり前なのですが、これまで入院したときには、治療を始めると1日経過したあたりで、元気や笑顔が出てきて見ていて明らかに症状が良くなっている兆しを感じられていました。今回は逆に1~2日経っても咳や痰の症状はなかなか治まらず表情も辛そうなままでした。

お薬が本当に効いているのかすら不安になりましたが、担当の先生と看護師さんから言われた、「マイコプラズマ肺炎はしつこいから良くなるまで時間がかかることが多い、体にたまった痰をとってあげて呼吸を楽にすることが大切」という言葉を信じて待ちました。

②マイコプラズマ肺炎での入院中に酸素飽和度がなかなか回復しなかったこと

娘は基礎疾患があります。が、呼吸器は指摘されたことがなく、パルスキシメーターが示すSpO2の値はいつも99か100と、高い値を維持していました。

ただし、今回はいつもと全く異なり、自宅の計測器で90を切ったときにはさすがに慌てました1

入院中もなかなか回復せず、とくに寝ているときには90を切ることが多いことがわかり、入院当日夜間より、24時間SpO2値をナースステーションでも確認できるモニターを装着することになりました。

痰を吸引しても数値が上がらないときには酸素投与も行いました。夜中、私も不安で眠れませんでしたが、救われたのは、数値が示すほど、娘の顔色が悪くないということでした。

唇や爪が青く、ぐったりしている場合にはすぐにナースコールを押すように言われていましたが、幸いにもそのような状態になることはありませんでした

一般的に言われている、呼吸が楽になる姿勢を看護師さんと相談しながら、横向きや上体を上げるなどの姿勢も試しました。しかし、娘が自分で自由に姿勢を変えたときの方が呼吸が楽になることに気づいてからは、娘が一番自分のことを知っているんだと感じ、娘に寝姿勢をまかせたりもしました。

③痰の吸引に出血を伴ったこと

マイコプラズマ肺炎による気管支炎で入院中にもゴロゴロ、バリバリといった痰の音が外にも漏れるほどひどい状態だった娘。咳こむことも多く、楽になるための背中の叩き方なども教わったりしながら、必要そうな時には痰吸引をお願いしていました

が、時折、気道が傷つき、吸引の管が真っ赤になるほど血が出たりしました。安全のために私が体を固定して看護師さんが吸引してくれていましたが、それがなんとも痛ましくて見ていられません。

ママM子
ママM子

看護師さんには、「優しく、でもすっきりさせてあげてください。」と半泣きになりながら無理難題を言ってしまっていました。

そんな感じでも、看護師さんは優しく、「大丈夫。さっき左から血でたから右からやんわりするから安心してね。」などど、親も娘をも安心させてくださいました。そのおかげで、なんとか乗り越えることができ、勇気を持って呼び出しボタンを押すことができました。

④マイコプラズマ肺炎での入院直前にお薬のトラウマが

マイコプラズマ肺炎で入院中に不安だったこと2_Mko_Hospitalized_mycoplasma_

入院が決まる前に、かかりつけの小児科さんでレントゲンを撮っていただいたときに気管支炎像があったため、マイコプラズマ肺炎の治療で飲んでいたオゼックスに加えて、プレドニンというステロイドのお薬を粉砕して飲むことになりました。

これが、何をしても苦いのお薬です。苦いことは知っていましたが、味見してみたところ、これが本当にとんでもなく苦いのです。バニラアイスを混ぜてみても、シロップを入れてみても、苦みは消えませんでした。

でも、今できることはこれを飲ませるしかないとの一心で、苦みを感じにくいほっぺたの奥に、かろうじて甘みをつけたプレドニンの粉を団子にしたものを擦り付けました。しかし、どこかで苦みを感じてしまったのか大暴れ。考えが甘かったと後悔しました。冷静に、処方してもらうときにステロイドのシロップ剤など、他の方法もあったのかもしれないと今は思います。

当時は苦みのトラウマで、マイコプラズマ肺炎での入院期間中も、はじめはほとんど他のお薬も飲んでくれませんでした。痰や呼吸を楽にするお薬が入っているので、なんとか飲んでくれと、アイスを買ってきて混ぜてみたり、お薬団子を作ってお菓子屋さんごっこしてみたり、味噌汁に混ぜたりと試行錯誤を繰り返しました。今回のお薬に苦みがないことがわかってからは、なんとかそのままお薬を極少量の水と合わせ団子として食べて飲めるようになりました。今回は、飲めたら大げさに褒める!!ということも役に立ちました。

⑤入院中は寝ている間も気が気ではない。でも、寝ている間に済ませないといけないことも沢山ある。

タイミングの悪いことに、入院翌日から夫はどうしても外せない出張があるということもあり、入院期間中は娘と二人きりで面会なし、息子は祖母の家で両親と離れて過ごすことになりました。

子供が小さいうちは、親は当然に昼夜問わず付き添いになることが多いと思います。親の食事やバスタオルなどは手配してもらえないことが多く、今回の病院もそうでした。

これまでの入院では夫に頼れましたが、今回は頼れず、洗濯やシャワーなどは基本娘が寝ている間にしていました。ところが今回、寝ている間も一時も目を離せないほどの状態。私のシャワーは諦めることもしばしば。しかし洗濯は子供の服が足りなくなるので必須です汗。何度か、見守りを看護師さんにお願いしましたが、忙しい看護師さんの手を借りるのはどうも気が引ける思いでした。ただ、自分だけでは気づけないSpO2の変化に気づいていただけて、自分だけでがんばるよりも頼った方が良い場合もあると身にしみた部分もありました。

点滴で治療を始めて、痰吸引と吸入を続ける日々が続き、5日目にしてようやく、痰がからんだ辛そうな咳が少し遠のき始めたのを感じました。SpO2の値も常時95くらいを維持できるくらいまで回復しました。そのあたりから、ごはんも食べれるようになり、なんだか急に元気になりました。

ママM子
ママM子

数週間の入院を覚悟しており、看護師さんからも経過が長いかもと伺っていましたが、そこまで行かず退院することができました。

マイコプラズマ肺炎での入院を経験して

今回、娘は、マイコプラズマ肺炎の耐性菌が増えたという懸念で、治療としてまず始めに使う抗菌薬ではない、効果が出やすいお薬を、かかりつけの先生が選択していただいていたにも関わらず、マイコプラズマ肺炎に加えて、他の細菌感染も起こし、本人が辛い状態となってしまいました。しかし、入院してからの適切な治療により、元気に回復することができました

病棟に入院している他のお子さんたちには、コロナの影響で部屋がそれぞれ隔離されているため会うことはありませんでしたが、コインランドリーに行く途中で他のお部屋からうっすら聞こえてくる泣き声、お歌などを聞きながら、他の部屋のお子さんもお母さんもがんばっているんだなと、自分を励ましたりもしました。

医師や看護師の方々には、娘の治療はもちろん、娘と遊んだり可愛がっていただいたり、親である私の心のケアまでしていただき、本当に感謝しています。

最後に

今回の経験を通して、子供の病気は本当に予期できないものだと痛感しました。少しでもおかしいと思ったら、「そんなにひどくないのにまた来たの?」って思われるんじゃないかとか、小心者の私はよく思ってしまうのですが、自分の直感を信じて、ためらわずに病院に連れて行くことの大切さを改めて感じました

子供の成長度合い、育児の仕方など、子育てにおいて、M子はあれこれ考えて不安になることが沢山あります。

でも、今回病状が悪くなってしまって入院して、娘の命の危険を感じて改めて、何よりも、そばにいてくれるだけでありがたいと思いました。とても心配のつきない日々でしたが、いろんな縁、過ごした時間、看護師さん、先生、家族の心遣い、優しさに感謝します。同じ病気でも、それぞれで経過は異なるかと思いますが、何かの参考になれると嬉しいです。2

今回使ったステロイドについて

最後にと書きましたが、薬剤師のブログなので、今回使用したお薬について書いていきたいと思います。マイコプラズマ肺炎にかかわらず一般的にステロイドの比較になります。

ステロイドのシロップ剤に関してですが、M子家のかかりつけ医の方は、風邪による咳症状がひどいときにはリンデロンシロップというステロイドのシロップを処方されることがあります。プレドニンとリンデロンシロップ、どちらもステロイドと呼ばれるお薬ですが、性格は異なる部分がありますのでご紹介します。

ステロイドはたくさん種類がありますが、今回はM子家でよく処方される2種類についてママの気になる視点でまとめてみました。

お薬作用比較プレドニンリンデロンシロップ
①味味付けの工夫はされておらず、錠剤でも粉でも単純に苦い甘いがエタノールも含まれていて、アルコール特有のカーッとした感じがある
白糖やDソルビトールなどの砂糖の仲間のおかげで甘くて飲みやすい味
②炎症を鎮める作用
ヒドロコルチゾン3
プレドニンの炎症を鎮める作用は、数字で表すと、4リンデロン自体の炎症を鎮める作用は、数字で表すと、25~30
③効果の続く時間お薬が血液中から半分に減る時間(半減期)は12~26時間(中間型)お薬が血液中から半分に減る時間(半減期)は36~54時間(長時間型)。
456

他にも異なる点はありますが、これら3点で比較してまとめると、

プレドニンは作用時間が長すぎないため、朝晩などで飲む量の調節がしやすいが、苦みで子供が飲めないこともしばしば。

一方、リンデロンシロップは、甘みで飲みにくさをカバーしている。炎症をしずめる作用が高く(プレドニンの7~8倍)、作用も長く続くため大量に使用するときに使いやすいと言われている。

ただし、短い日数の間で量を細かく調節することはしにくいお薬です。また、副作用が出たときにお薬が体の中から出にくいため副作用の症状が治まるまでにも時間がかかる可能性は否定できません。

M子は飲みやすさから「シロップが良かったかも?」と言いましたが、プレドニンとリンデロンの違いもあるため、比較してみると単純に変更できるものではないかもしれません。先生と相談のもとで、指示を仰がれてください。

M薬剤師
M薬剤師

M子家の娘は、リンデロンシロップを飲むと元気になりましたが、作用時間の長さからなのか、副作用(不眠)のせいからか、夜なかなか眠れなくなってしまったことがありました。次回は先生と相談してみたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんが元気に過ごせますように。

ママ薬剤師M子

【参考文献等】
  1. 日本呼吸器学会 よくわかるパルスオキシメーター[]
  2. 参考 マイコプラズマ肺炎に対する治療指針 日本マイコプラズマ学会[]
  3. 人体の生理的な副腎皮質ホルモン)の作用をとしたときの強さ比較[]
  4. プレドニン錠添付文書[]
  5. リンデロンシロップ添付文書[]
  6. 羊土社  薬の比較と使い分け[]

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