前回の記事でお伝えした通り、M子自身はとてもよく風邪をひきます。
そんな時に、我が家の常備薬「改源」という、漢方薬も配合されている総合感冒薬の紹介です。
胃が弱いけど、これだと続けて飲める、なんとなく調子が整う、ということで、我が家でお気に入りのお薬です。
せっかくなので、よくお世話になるお薬についても詳しくなりたいし、同じように快適に過ごせる方が増えたらとの思いから、紹介してみたいと思います。
前回の記事と併せて読んでいただくと違いが判ると思います。
この記事は、成分・薬効以外は、個人の感想が主であり、良かったなと思うものを紹介するものです。また、妊娠授乳中にお勧めする物ではありません。
改源の成分
改源(カイゲン)にもタイプが複数ありますが、今回は粉末の物をご紹介します。
アセトアミノフェン(900mg)
改源 | カイゲンファーマ株式会社 1日の分量を抜粋
dl-メチルエフェドリン塩酸塩(30mg)
無水カフェイン(75mg)
カンゾウ末(200mg)
ケイヒ末(200mg)
ショウキョウ末(100mg)
ベンザブロックYASUMOと同じ成分は、dl-メチルエフェドリン塩酸塩(咳止め)のみでした。
改源の成分を少し詳しく見ていきます
今回、熱や関節の痛みを下げてくれる成分が、アセトアミノフェンです(ベンザブロックYASUMOはイブプロフェンでした)。
アセトアミノフェンには、うれしい特徴があります。
小児から高齢者まで幅広く使用でき、胃腸障害が少ないという点です。また、妊娠中も授乳中も比較的安全性が高いと言われています。イブプロフェンほど強力な解熱作用があるわけではありませんが、それでも、OTCでの最大量の900mgが配合1されており、しっかりとした効果を期待しているのではないかと思っています。
胃が弱い私は、熱が出たときには、「イブプロフェン」の仲間である「ロキソニン」を服用することが多いですが、胃薬を一緒に飲まないと、いや、飲んでいても、続けて飲むとすぐ胃が痛くなってしまいます。
ですが、改源を続けて服用しても、胃が痛くなることはほとんど記憶にありません。それに、熱や痛みも和らいでいます(個人の見解です)。
次に、なんと、カフェインが配合されていました。しかも、1日量75mg(1回量25mg)と、栄養ドリンクレベル(1日あたり50mgのものが多く販売されています)の量が配合されていることに驚きました。
カフェインで元気になっていたのかもと思ってました。
でも、ドリンクを飲んだ後は、元気になっても、それは元気の前借りであって、後で反動があって、きつくなることが多いですよね。
だけど、改源では体調が落ち着いて楽になるから、違う気がするんです。。。
改源に含まれる漢方成分
成分を見てカフェインではなく、私の体を助けてくれていたのは、残りの成分の漢方薬(カンゾウ、ケイヒ、ショウキョウ末)の役割が大きい気がしています。
いずれの成分も、有名なツムラの漢方薬などにも多く配合されている、有名な成分ばかりです。成分ごとの役割について調べてみました。
甘草(カンゾウ)
ショ糖のおよそ150倍の甘味を有するといわれているグリチルリチン酸を多く含みます。 また甘草は、ほかの生薬の働きを高めたり、毒性を緩めたりする「調和」作用があることから、最も多くの漢方薬に配合される生薬です。いろいろな役目を担い、活躍している漢方ということで、今回詳しく解説していきます。紀元前から薬として用いられる一方で、醤油や菓子などの甘味料としても広く利用されています。
甘みは、気血を補う作用や、心身の緊張を緩める作用があります。強い甘味が残存することで、心や脾胃の気をゆっくりと補い、精神状態(心神)を安定させるとともに、肺を潤すはたらきを持ちます。また、消化管、下肢、尿管などの身体各部の筋の緊張を緩める作用もあります。
簡潔にまとめると、以下のようになります。
【作用】
- 消化器の働きを助ける
- 炎症を鎮める
- 咳をしずめ、痰をだしやすくする
- 痛みを和らげる
- 薬効を調和する
桂皮(ケイヒ)
幅広い薬効(本当に幅広いです)をもち、滋養強壮薬としてもつかわれる、香辛料ではシナモンとして用いられているそうです。
【作用】
- 胃腸の働きを調整する
- 免疫力の回復させる
- 血液循環を改善し、水分代謝の調節を行う
- 中枢神経系の興奮をおさえる
生姜(ショウキョウ)
ショウガ科のショウガの根茎を乾燥させたものだそうです。
【作用】
- 発汗を促す
- 胃の働きを助ける
- 吐き気を抑える
なるほど!
この3つの漢方成分により、カンゾウが、それぞれの漢方の薬効を調和してくれて、風邪の諸症状を和らげ、胃も守ってくれていたようです。そして、改源の説明書に記載されていた言葉ですが、自己治癒力を高め、体の回復を助けてくれていたように思います。
※ワンポイントアドバイス
甘草の主成分であるグリチルリチンは、ナトリウムの貯留を促し、カリウムを排泄する働きがあります。そのため循環血漿量が増えます。なので、点滴のない時代には補液のかわりをしていたんです3よ。時代によって役割が変わるって、おもしろいですね。
まとめ
西洋薬と漢方薬が、良い塩梅で配合された総合感冒薬だなあと、改めて思いました。また、改源を飲むときに、ケイヒ(シナモン)の香りが漂うのも、私は好きで良い気分になります。
以上、多くある総合感冒薬の中から勝手に一つ選んで紹介させてもらいました。
効く、効かないは人それぞれ。本当に体質などでも個人差があります。総合感冒薬に関しては、製薬メーカーなど、HPで詳しく説明されていることも多いですし、症状を伝えて薬局で選んでもらうこともできます。
症状にあった薬が見つかり、早く元気になりますように。
最後までお読みいただきありがとうございました。
薬剤師M子
【参考文献等】- 日経BP,薬局OTC販売マニュアル初版,p50[↩]
- 幸井俊高,医師・薬剤師のための漢方のエッセンス,日経BP、漢方薬・生薬大辞典 http://www.kigusuri.com/kampo/jiten/shouyaku[↩]
- 日本文芸社 田中耕一郎編著 生薬と漢方薬の事典[↩]
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