チラーヂンSの相互作用と副作用について 気になるポイントを【ママ薬剤師M子】がお伝えします

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ママ薬剤師M子です。今回は前回に続いてチラーヂンについてですが、その中でチラーヂンSの相互作用と副作用についてお伝えしていきたいと思います。

M薬剤師
M薬剤師

いつもお伝えしていますが、お薬はメリットもあればデメリット(副作用)も付き物です。正しく理解して、医師・薬剤師に伝えることで、適切な量への変更や代替(があれば)の処方ができることもありますので、副作用=ダメではなく、どのような症状なのかを詳しく伝えてもらえると、薬剤師として大変助かります。

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チラーヂンSの相互作用 

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チラーヂンSの相互作用の「相互作用」とは、簡単に言うと、そのお薬と一緒に飲むことで薬の効果が強まったり・弱まったりすることを言います1

M子の意見
M子の意見

弱まることは困るけど、強まることはいいんじゃないかと、患者さんから聞かれたことがあります。たしかに強まるのは良い気がしますが・・違います。強まることで、逆に薬が効きすぎて思わぬ症状が発生してしまうことがあります。何事も適量が大切です

■チラーヂンSの吸収を邪魔(阻害)するお薬・サプリメント

同時に投与するとチラーヂンSの吸収が落ちるため、服用する時間をずらしたり、中止したりする必要が出てくることがあります。カルシウム剤や鉄剤は、お薬だけでなくサプリメントなどでも注意が必要です。 

①カルシウム剤(骨や消化器の治療薬に含まれることが多い)
 対策→服用間隔をあける
②鉄剤
 対策→服用間隔をあける
③水酸化アルミニウム(制酸剤、胃薬などに含まれることが多い) 
 対策→チラーヂンSの増量もしくは水酸化アルミニウムの中止 

※①カルシウム剤は4時間以上、②鉄剤は2時間以上あけると影響がでにくいと言われています

■チラーヂンSの相互作用で効果が増強したり減弱したりするもの 

チラーヂンSと一緒に服用することで特に注意が必要なお薬を2つご紹介します。

①ワルファリン(ワーファリン、ワルファリンK錠)
甲状腺ホルモンが過剰のときにワルファリンの効果が増強しやすいため、ワルファリンによる出血傾向(血がとまりにくい、鼻血がでやすい、あざができやすいなど)に注意が必要

②ジギタリス製剤 (ラニラピッド、ジゴキシン)
甲状腺ホルモンが過剰のときや低下しているときに、心不全などの治療として用いられるジギタリス製剤(ジゴキシンなど)の血中濃度が変動しやすいため、必要に応じてジギタリスの血中濃度を確認する必要がある

 他にも、一部の抗生剤やコレステロール値を下げるお薬、胃薬、ホルモン剤などで、時間をずらしたり中止したり、注意が必要な薬剤は多くありますので、医師や薬剤師の説明をよく聞き指示を守るようにしましょう。

■避けたい食品・飲み物・市販薬 

今までは、お薬やサプリなどとチラーヂンSの効果に影響を及ぼすものを記載しました。
ここからは、避けたい食品などについてお伝えします。 上にも一部記載して重複している部分もありますが、大事なので分けて書いていきます。

  • カルシウムを含むもの
    • 牛乳 
    • ヨーグルト 
    • チーズ 
    • カルシウム強化食品

カルシウム強化食品でいうと、「背が伸びると謳われている系」の飲料などに含まれていることがあります。

朝は成長のためにと、子供に牛乳を飲ませたくなりますが、朝チラーヂンを飲んでいる子供さんの場合は、チラーヂンを牛乳で飲ませるのは避け、朝起きてすぐにチラーヂン→食後に牛乳など、なるべく間隔をあけるようにしていただきたいです。

  • 鉄分を含むもの
    • 鉄剤 
    • サプリメント 
  • エフェドリンなどの交感神経刺激薬が入っているもの

甲状腺機能低下症よりも、バセドウ病などの甲状腺ホルモンが過剰に分泌されている患者さんで特に注意が必要で、頻脈などを悪化させる可能性があります。

バセドウ病の治療の一環でチラーヂンSを使用することもあるため、関連する内容として今回載せました。

エフェドリンが含まれているもの
・意外なところで、漢方薬に含まれる麻黄という成分が該当します。麻黄は、「麻黄湯、葛根湯、小青竜湯、麻杏甘石湯、越婢加朮湯、麻黄附子細辛湯」などの漢方薬に含まれています。また、個人輸入の健康食品には、ダイエット食品などでエフェドリンが含まれている製品もあるようです。知らない間に手に入っている可能性があるた、成分表示をよく確認するようにしましょう。

M子先生
M子先生

エフェドリンに関しては、頻脈の可能性の他にも、甲状腺疾患の治療薬自体の副作用による、風邪のようだけど重大な副作用(メルカゾールによる無顆粒球症)が起きていることもあるため、薬局でも説明があるとは思いますが、体調が思わしくないときには市販薬を購入するのではなく、早めに受診しましょう。

  • ヨウ素を含んだ食品 

ヨウ素は甲状腺モルモンが合成されるのに重要な役割を担っていますが、急速かつ過剰に摂ってしまうと、甲状腺ホルモンの分泌が抑えられてしまうことがあります。 

健康食品のヨウ素添加卵や、昆布などの過剰な摂取には要注意です。

市販薬のイソジンガーグルや、他の喉に使用するお薬の一部にもヨウ素が含まれていることがあるので、成分表示をよく確認するようにしましょう。一時的に使用するのには問題ないとも言われていますが、過剰に使用するのは控えましょう。 

M子
M子

これらの食品や市販薬は市場ですぐに手にいれることができるので、良かれと思って食べさせたりした場合に、患者本人に体調が思わしくなくなることが考えられます。チラーヂンSを服用している家族や本人がよく理解しておく必要があります。 

M子の失敗談 

娘が薬を飲んでくれない時期に、アイスを混ぜて飲ませている時期がありました。。。

よくよく思い返すと、チラーヂンとバニラアイスを混ぜてしまい・・ということがありました。バニラアイスにも、種類にもよりますが、カルシウムが多く含まれている場合があるのでご注意をあくまでも、お薬は水かぬるま湯で飲むのが基本です!)。 

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チラーヂンSの気になる副作用 

最後にチラーヂンSの副作用についてまとめていきたいと思います。

  • チラーヂンSの重大な副作用
    • 著しい肝機能障害や黄疸、狭心症、副腎クリーゼ、うっ血性心不全などがあります 
  • その他のチラーヂンSの副作用
    • その他の副作用としては、過敏症状や肝機能検査値の異常、動機、不整脈、頭痛、めまい、不眠、うつ症状、筋肉痛、発汗、発熱、倦怠感などがあります。 

その中でも、投与量が多すぎる場合、以下のような症状が出ることがあります。 

  • 動悸がする(飲み始めや増量時に自覚症状として感じやすい) 
  • 手の震えを感じる 
  • 汗が多く出る 
  • イライラしやすい 
  • 眠れない 
  • 下痢が続く 
M子の意見
M子の意見

これらの症状が出たら、すぐに主治医に相談しましょう。お子さんの場合には自分で症状を訴えることができないため、眠りが浅かったり、いつもより落ち着きがなかったりと、いつもと違うなと感じたらすぐに医師に相談するようにしましょう。 

チラーヂンSの相互作用と副作用のまとめ!

今回は、チラーヂンSの相互作用と副作用についてお伝えしました。チラーヂンSは適切に使用すれば生活の質を改善できるお薬です。

このお薬は長期的に飲む可能性が高いお薬です。その効果を最大限に引き出し、副作用のリスクを最小限に抑えるためには、飲んでみてどうだった、調子がどうだったなどの、患者さんと医師、薬剤師と詳しい言葉のやりとりがあるといいですね。

相互作用に関しては、特にカルシウム剤や鉄剤との併用に注意が必要で、飲む必要がある場合には、服用時間を一定時間以上ずらすことが必要と言われています。
また、ワルファリンやジギタリス製剤との併用では、甲状腺ホルモンの状態により薬の効果が変動する可能性があります。

さらに、普通の食事や飲み物の面でも注意が必要です。牛乳、ヨーグルト、チーズなどのカルシウム含有食品、鉄分を含むサプリメント、特定の漢方薬に含まれる成分、ヨウ素を多く含む食品は、チラーヂンSの効き目や甲状腺疾患をお持ちの方の症状に影響を与えることがあります。漢方薬は安心安全というイメージは強いですが、漢方薬が新しくはじまった場合もしくは市販で購入する場合にも、甲状腺疾患をお持ちの方は医師または薬剤師に伝えるようにしましょう。

こんなものも?というものがあったかもしれませんが、摂取が禁止されているわけではなく、チラーヂンSと同時に服用することがNGで、時間を空ければ大丈夫なものもありますので、医師または薬剤師に相談してみてください。

誰かの役に立ちますように。

ママ薬剤師M子

参考文献2,3,4,5

【参考文献等】
  1. 薬物相互作用,公益社団法人[]
  2. チラーヂンS錠添付文書[]
  3. チラーヂンSインタビューフォーム, あすか製薬[]
  4. かかりつけ医のための甲状腺疾患治療ガイド[]
  5. レシピプラス 入門!甲状腺疾患[]

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