こんにちは、薬剤師M子です。 前回、経口補水液とは?についてお伝えしました。 今回から経口補水液のママたちが思う疑問点について何回かに分けてポイントをM子視点でまとめてみました。
今回はQ&A形式で前回の記事の内容も含めて、詳しめに書いています!
経口補水液の気になる疑問点
①経口補水液は1歳児でも飲めるの?
M子の回答は・・・
1歳児に限らずですが、1歳から飲むことは、多くの経口補水液で可能であると言えます。
小児急性胃腸炎診療ガイドライン1に記載されている経口補水療法の手順書(プロトコール)には、WHO(世界保健機関)、CDC(米国疾病管理予防センター)など様々な国の基準が紹介されています。
今回、より年齢や飲ませ方に対して詳細に記載されているWHOの基準を参考にしました。4ヶ月未満の乳児においても経口補水療法の基準が定められていることから、1歳では、経口補水液は飲用可能であると思われます。
ただし、年齢や月齢はあくまでも目安です。低年齢においては脱水を起こすと急激に症状が悪化する危険性があり、体調不良の原因次第では早急に別の治療を必要とする場合もありますので、親として判断が難しい場合にはとくに、医師の指示を早めに仰がれることをおすすめします。
発熱や脱水、下痢以外の咳・鼻水などの風邪症状等がある場合は、まず病院受診が前提になります。夜間にお子さんの不安な症状が続くときには、「#8000(こども医療電話相談)」で相談もできると思いますので(M子もお世話になっていて感謝しています)、心配なときは是非!
飲ませる量
ここでは、「4時間かけて」飲ませる(一気に飲ませない)と記載があります。
簡便には体重(kg)×75mLを補給させる。 もしくは以下の表のとおり
年齢 | 4ヶ月未満 | 4~11ヶ月 | 12〜23か月 |
体重 | 5kg未満 | 5~7.9kg | 8〜10.9kg |
投与量(mL) | 200〜400 | 400〜600 | 600〜800 |
飲ませ方
乳児と幼少児はスプーンやコップで与える。哺乳瓶は使うべきではない。乳児では、スポイトや針なしの注射器は口の中に少量ずつを与えることができる。
2歳以下の小児では、1〜2分ごとにティースプーンで与える。年長児ではコップから直接、頻回にすすってもよい。嘔吐をする児では、5〜10分待って、それから再度、経口補水液を与えるが、もっとゆっくりと与える(例:ティースプーンで2〜3分ごと)
急いで与えること無く、ゆっくりと様子を見ながら飲ませることが大事ですね。離乳食でも重湯の上澄みをスプーンですくって食べさせたりしますが、そのような間隔でゆっくり、ごくんと子どもが飲み込めるかを確認してから次の一杯を与えてあげてください。
経口補水液の摂取量の目安
経口補水液の基準をクリアしている2つの製品、OS-1とアクアライトORSの摂取量の目安を記載しておきます。 ここでは、各製品に記載の年齢を基準に書いています。そのため、WHOの基準とは異なりますが、各組成に合わせた量で記載されています。
※乳児:満1歳未満、幼児:満1歳から小学校就学の始期に達するまでの者、小児:出生から春機発動期(思春期)まで2
「OS-1」 の場合
※経口補水液は中等度あるいは軽度の脱水状態での使用が勧められています。その際、脱水が疑われてからできるだけはやく(4時間以内)に経口補水療法を行うことが推奨されています。 1 併せて病院受診も検討してください。
M子のまとめ
子供の状態の変化にいちきはやく気づき、早急に対応したいですね。M子の息子(5歳)は元気過ぎて、楽しいと疲れて倒れ込む寸前まで飛んだり走り回ったりしています。
そんな、大量に汗をかいたとき、麦茶の代わりもしくは追加でアクアライトにお世話になることがあります。
ただ、息子はアクアライトは好きですが、アクアライトORSは体調が悪いときにも味が苦手でのみません(飲みやすく工夫されている商品のはずですが、こればかりは個人の好みなのでしょうね・・・)。ですので、脱水が心配になるほどの様子のときは、本人が食べたいというものが足りないものだろうと思いながら、子供の運動量、食べ物の好みは人それぞれなので、子供の様子を見ながら対応していくって、本当に難しいですね。
次回予告
M子も子育ては日々苦戦しながら過ごしています。M子のもとを訪れていただける方には、その方にあった解決策を提案できるよう、薬剤師というよりも、目の前の人を助けたい人として活動しています。何かのお役に立てると幸いです。
次回は、「イオン飲料とは?ポカリスエットとアクエリアスの違いは?」について書いていきたいと思います。文量が多いので、見やすくするために分割した記事にしていますので、気になる方は是非そちらもお読みいただけますと幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございます。
ママ薬剤師M子
【参考文献等】- エビデンスに基づいた子どもの腹部救急診療ガイドライン 2017[↩][↩]
- 乳児、幼児、小児の定義は、厚生労働省 通知文書より[↩]
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