ママ薬剤師M子です!今日は、子どもを育てていく上で、1度は「便秘」という壁に当たったことがあるママさんは多いのではないでしょうかというお話。
M子の子供もたまに2~3日に1回の排便になることがありましたが、そこまでひどいこともなかったです(と思ってなかっただけかもしれません)。
しかし、昨年の年末に、子供が泣き病まず、どこが悪いのかもわからず慌てて夜に緊急病院へ駆け込み浣腸でたまった便を出したことがありました。
今回はそのような経験を基に、主に子供の便秘について、症状とお薬を話題に何回かに分けてお伝えできればと思っています。
我が家(M子の子供)のケース
冒頭で少し書きましたが、昨年末に起こったM子の子供の場合(M美:2歳、女の子)について書いていきたいと思います。
ある日M美の便が2日ほど出ておらず(大体毎日便が出ていたので気になりました)、食欲もなく(ごはん大好きM美では考えにくい)、お腹もいつもよりぽっこりしているように見えました。そこで、夕方に病院受診した結果、腸の動きが悪いとのことで、その場で浣腸をしてもらい、排便ができたため、家に帰りました。
しかし、その2時間後くらいから、泣き止まなくなり、困ってしまい#8000(小児医療電話相談)に電話。
便秘だったため、夕方に小児科を受診しました。便秘といいながら、まとまった便はでてないですが、下痢のような便はちょくちょく出ています。食事の量は、いつもの2割~3割程度。泣き止まなく困っています。
それ、便秘です。便がでても、大きな便が栓をしてしまうケースがあり、その栓の回りから、染み出るように下痢のような便がでるケースがあるので、親はちゃんと排便していると思い実は便秘だと気づかないケースがあるんです。
排便があるのに、便秘とはどういうことなのか、一瞬頭の整理ができませんでしたが、よく考えるとあり得るなと思い、そのまま、緊急病院へ行くように指示があったため連れて行きました。
緊急病院受診の結果
緊急病院を受診した結果、夕方小児科で浣腸をしたにも関わらず、まだ腸の動きが悪いとのことで、さらに浣腸を実施し、無事排便されました。
ここで、無事終わった、よかったねと終れればいいのですが、更に続きがありました。
夕方小児科で浣腸を行い、緊急病院で浣腸を2回したのにも関わらず、数時間たつとまだ泣き出したのです。
M子も泣きたくなりました・・・がそんなことを言っている場合ではありません。
誤診か(結果的には違いました)?なんて思いながら、腸重積などの重たい病気じゃないかと不安になりながら、深夜1時に再度同じ緊急病院へ向かいました(そこしか空いてなかったので・・)。
その際に、お腹のレントゲンを撮ってもらったのですが、まだ便があるとのこと。なんと頑固なのでしょうか。
この日3度目の浣腸を実施し、子供はようやく眠りにつきました。
1日に何回も浣腸をするケースは珍しいのかどうか、恥ずかしながらM子は詳しくありません。ただ、M美が便秘で苦しんでいたことに気づけなかったことが申し訳なく、やるせなかったです。
診察の待ち時間で気づいたのですが、緊急病院には、ほかの子供(小学生くらいの子、小さい子など)も複数いましたが、発熱の受診などに混ざって浣腸した後と思わしき子供さんがいました。看護師さんに聞いているみると、M子家のように、便秘と気づかずに来院される方が多いということでした。
まだ話すことができないお子さんなどは、「お腹が痛い、苦しい」ということをうまく伝えることができないため、親が真実を知ることはとても難しいですよね。でもその分、親が果たす役割はとても大きいなと痛感しています。
便秘は子供から高齢の方まで生じる可能性はありますが、今回は少しでもママさんの子供の便秘への理解が深まればという思いと、M子の体験談を生かせたらと思い、主に子供に焦点をまとめていきたいと思います。
子どもの便秘、なぜ冬に増えるのでしょう?
便秘は一年中起こる可能性はありますが、とくに秋冬に起こりやすいと言われています。
原因としては、
- 冬は夏に比べて気温が低く、喉が渇いたことを感じにくい
→水分を採る回数と量が減ってしまう - 冬は寒く家にこもりやすいため運動量が減り、大腸の動きが悪くなる。また、外と家とで気温差が大きく、自律神経が乱れやすい
→自律神経は大腸の動きに関わっているため便が出にくくなる - 年末年始は長期休暇などで食生活や睡眠などの生活習慣が乱れやすい。
- 寒くて、トイレを我慢してしまう。
→便は、我慢する時間が長いほど水分が減り、硬く出にくくなってしまう。 - 冬は寒くお腹が冷えやすいため、お腹が冷えると腸のうごきが悪くなってしまう。
などがあるそうです。 1
小さなお子さんは、生活・食生活ともに親に依るところが大きいため、親の影響を大きく受けてしまいますね・・
そもそもの便秘の定義は?
便秘とずっと言ってきましたが、M子の認識でも、排便が無いことが便秘と思っている方も多いと思います。「慢性便秘症ガイドライン」という、医療の目安を示す文章によると、
便秘とは、「体の外に出すべき糞便を、十分な量、快適に出すことができない状態」のことを言います。
そのため、M美のような、排便が数日に一回や、本当に出るべき便が腸内で固まって出てこないなどは、便秘状態にあるといえます。(便秘かどうかは、個人で判断すると危険なこともあるので、医師の診察が必要です)
次回について
次回以降は、子供が便秘になったときにまず日本で処方されることの多い、「酸化マグネシウム」についてご紹介したいと思います。また、酸化マグネシウムとよく比較され、日本での処方も多くなってきた「モビコール」についても触れたいと思っています。
【参考文献等】- 健栄製薬HP[↩]
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