今回はヒルドイドの効果的な塗り方と使用量について、ママ薬剤師M子目線で書いていきたいと思います。
前回はヒルドイドの一般的な効果についてお伝えしましたが、簡単に復習すると、ヒルドイドは保湿力が優秀で水分を集めてしっとりさせることができるお薬ということでしたね。しかし、適切に塗ることができなければ効果が期待できないことがあります。
そこで今回は効果的な塗り方と、その使用量について中心にまとめていきます。
ヒルドイドの効果的な塗り方
始めて処方されたときなどに聞かれたことがある方も多いかもしれませんが、ここでは、効果的な保湿剤の塗り方とタイミングをご紹介します。
ヒルドイドの使用量目安 について
ヒルドイドは、患部の状態に応じて使い分けができるくらい、多くの形状 (ローション、クリームなど)が存在します。
いずれの種類でも使う量の目安としては、「塗った部分の皮膚が、しっかりテカテカしている。そして、ティッシュを軽く1枚あてると離れないくらい」が、しっかり塗れているかの目安になります
また、種類ごとに、塗り拡げられる量が異なり、以下の量を塗り拡げると、大人の両掌分ぐらいの面積になります。塗る場所や使う剤形によって使い分けてみてください。
☑ヒルドイドソフト・クリーム・・・人差し指の先から第一関節まで
☑ヒルドイドローション・・・1円玉くらいの大きさ
虫刺さされで腫れた部分に薬を塗るときは、チョンと、虫刺されの上だけに塗るM子ですが、保湿剤は一般的に、手で薄く伸ばしながら塗ると、しっとり塗れることが多いです。
※厳密にいうと、ヒルドイドは、剤形で効果的な塗り方が異なります。よりサラッとしている、「ヒルドイドローションとヒルドイドフォームは伸びが良いので、適量を薄くのばして塗る(塗布といいます)」、少し固めでよりベタつきやすい「ヒルドイドクリームとヒルドイドソフト軟膏は、やさしくマッサージするように30回ぐらいずつ塗ってすりこむ(塗擦といいます)」と効果がでやすいようです。1
お薬の形状毎の「塗り心地」の違いについて
お子さんの好みやママの感覚として、夏は汗をかくのでサラっとしていた方が良い、冬は乾燥しやすいからしっとりしていた方が良いなどで、触り心地、また、塗り心地の好みはあるのではないかと思います。
ヒルドイドは前に書いたように、同じ成分でも形状が異なる種類が多く存在します。また、ヒルドイドはOTCでも販売されているので、処方されたとき以外のOTCでも選ぶ目安として、M子目線でその違いをご紹介したいと思います。
ヒルドイドのお薬タイプ
まず、ヒルドイドにどんな液体の種類があるかですが、我が家にあるものを並べてみました。
左から順に、 「ヒルドイドソフト軟膏、ヒルドイドクリーム、ヒルドイドローション、ヒルドイドフォーム」です。
塗り心地 (M子の感覚)
では、塗り心地はどうなのでしょうか。上の図に並べて書いていますが、左から右に向けて、ベタつく感じから始まり、右にいくにつれてサラっとして伸びがよくなります。
ヒルドイドソフトは他のものと比べるとべたつきがありますが刺激が少なく皮膚を守ってくれる作用が優秀です(詳しくは次回お伝えする予定です)
ヒルドイドソフト軟膏とヒルドイドクリームは、見た目が白くて、「どっちもクリームじゃない?容器が違うだけ?」なんて思われるかたもいるかもしれません。たしかに、大きな違いはないと言いたいぐらい、どちらも見た目は白いクリームで、ワセリンのように特別べったりする感じはありません。 しかし、クリームの性質は厳密には異なっています。
左側の「ヒルドイドソフト軟膏」は、油の度合いを多くして作られているため油っぽいです。そして、「ヒルドイドクリーム」は、油よりも水分の度合いが強いため、軟膏のヒルドイドソフトより触り心地はゆるく油っぽさもソフトほどではありません。
一般的なクリームと性質が似ているのは「ヒルドイドクリーム」で、水でも洗い流しやすいタイプになります。
ヒルドイドの効果的な使用タイミング
お風呂からあがると、気温の急激な変化などで肌が乾燥しやすくなるため、肌に十分に水分が残っている入浴後5~10分以内に塗ると、保湿剤の効果が出やすく、乾燥も防ぎやすいと言われています。
神経質になりすぎると毎日が辛いので、あくまでも目安と思ってください。
時間が経ってしまったとしても、塗らないよりは塗った方がもちろん効果は期待できます。また、1日2回などの指示された回数を、忘れずに塗り続けることができると、肌の回復は早いようです。2
M子は悲しいことに忘れっぽいタイプなので、お風呂上がりにルーティンで塗れるように、脱衣所近くのすぐ手のとどく場所に塗り薬箱を設置して、子供を拭いたと同時に塗っています。
ただし、ママがストレスなく塗り続けられることが重要なので、お風呂あがりにすぐと決めつけずとも、お風呂上がりの水分補給のときが一息つけるからそのときに一緒に塗る等、塗りやすいタイミングを見つけて、塗布を続けることが大切だと思います。
次回予告!
ここまで、ヒルドイドの効果やその使い方についてママ薬剤師M子目線で書いてきました。次回は、ヒルドイドの主成分であるヘパリン類似物質についてやその副作用について書いていければと思います。
次回もお楽しみに!
最後までお読みいただきありがとうございました。
ママ薬剤師M子
【参考文献等】
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