こんにちは、ママ薬剤師M子です。今回は、メプチンの副作用と注意点についてです!
お薬には使うメリットとデメリットがセットです。副作用と書くと怖いですが、知ることが一番大事なことなので別立てで書いてみます!
前回は、「メプチン吸入液ユニットの効果と使い方」というテーマでメプチンのお薬の形やその使い方についてお伝えしましたので併せてお読みいただけると幸いです。
メプチンの主な副作用について
早速ですが、メプチンの基本的な作用する場所に関する副作用についてご説明します。
第1回目でもお伝えしましたが、メプチンは血管や気管支に多く存在するβ2受容体に作用(お薬が効くこと)し、気管支を広げる効果があります。
β2受容体刺激薬は、β2の受容体に作用するといえども、似た構造のグループにβ1受容体とういうものもあります。そしてこの、β1受容体にも作用してしまうことがあります。(お薬の作用のしやすさは異なります)。
β1受容体は心臓の収縮を増強させる作用があるため、心臓に負担がかかってしまうことがあり、注意が必要です。 そしてそのときに生じる主な症状としては、「動悸」、「息切れ」、「手の震え」などがあります。
イメージしやすくするために、β2受容体刺激薬を「β2しげきやく君」にして、簡単に絵(イメージ)にしてみました。
β2受容体刺激薬の副作用の症状にはどんなものがあるの? (小さなお子さん編)
お薬が体に合っていないと、お子さんが感じやすい症状としては、「胸が苦しい感じ」がしたり「ドキドキ」したり、「手が震えたり」することがあります。そのため、使い始めはそのような症状が出ないかを見ていただく必要があります。
また、β2刺激薬にはメプチンのような吸入薬の他にも、粉薬やシロップ、テープ剤、錠剤などもあります。作用の仕方はほぼ同じですが、お薬の強さや、効果が出はじめるまでの時間、効果が続く時間、副作用の頻度などが異なってきます。
粉薬、テープ、錠剤などに関しては、お子さんの状態や飲みやすさなどを考えて、医師が成分の種類や剤型の切り替えを行うこともあります。切り替えを行ったときは、同じ成分でも、副作用の出方が少し変わることがあります(テープ剤から錠剤に変更したときに動機が出やすくなる報告のある成分もあります。)同じ種類のお薬とはいえ、剤形を切り替えた際の使い始めは、お子さんをよく観察していただけると安心です。
メプチンの副作用に関しての注意点
「メプチン吸入液ユニット0.3mL」
一見かわいい名前ですが、心臓に対する作用以外にも注意していただきたいことがありますので、繰り返しになるところもありますが、注意点を羅列してみます。薬剤師から詳しい説明があるかと思いますが、参考になると幸いです。
M子から、もうワンポイント
メプチン吸入液ユニットに関しては、気管支喘息や気管支炎などの症状を直すというよりは、発作時や咳がひどいときに、呼吸を楽にする目的で使用されることが多いです(症状の程度によっては定期的に使用する方法もあります)。
医師から指示通りに使用しても、「息苦しさがとれにくい、もしくは症状がひどくなってきた、副作用(手の震えや動機などによる体のしんどさ)が辛い」などあれば、メプチンの投与量を検討したり、他の治療で使っているお薬を増やしたりと、見直しが必要になってくることがありますので、早めにかかりつけ医に相談するようにしてください。
メプチンの保管法
メプチン吸入液ユニットのインタビューフォーム(IV.製剤に関する項目-6.製剤の各種条件下における安定性)を保管方法について抜粋しました。
外袋(アルミ箔)を開封すると、水分損失など、開封前にはなかった事象も起きているようなので、外袋は、未開封のものはそのまま保管し、開封した袋に入っている残りのアンプルは、遮光袋などで光を遮ってあげた方がよさそうです。
M子家では、開封した日をサインペンで書き、すぐに遮光袋に入れるようにしています。
メプちゃんから小さいお友達へ
小さいお子さん向けの、M子作成メプちゃんからの伝言です 。
「なんだかゼリーみたいで飲みたくなるかもしれないけど、飲み薬じゃないから、そのまま口に入れたりしないでね。
吸入は少し時間がかかるけど、お母さんに絵本を読んでもらったり、好きなお歌を歌ってもらったりして、お薬がなくなるまでがんばって吸入しようね。
言われたとおりに吸入しても苦しい感じが続くときには、お母さんに伝えてね。吸入の仕方とか、お薬の種類とか量とかを先生がもう一度考えてくれることがあるよ。」
最後までお読みいただきありがとうございました。
ひどい咳、喘息と、うまく呼吸ができないと本当に辛いですね。はやく症状が落ち着くように、注意点にも気を付けながらお子さんに寄り添っていきたいですね。
こちらでメプチンシリーズ第3回分は終了です。長くお読みありがとうございました。
以下、残り2回もお読みいただけますと幸いです。
ママ薬剤師M子
【参考文献等】
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