こんにちは。ママ薬剤師M子です。第3回目(最後です)の今回は、麦門冬湯の副作用や注意点について書いていきますね。
副作用は怖がると言うよりも、薬には必ずメリットとデメリットがあります。そのデメリット部分を知ることで、適切な対応がとれることもありますので、よくお読みいただけますと幸いです。
麦門冬湯というよりは、漢方薬全体に当てはまる事もありますので、是非参考にされてみてください。
前回、麦門冬湯の効能効果やM子の子どもの経験談を基に飲ませ方について書いていきましたので参考にされてみてください。
麦門冬湯の副作用
では、さっそく麦門冬湯の副作用について書いていきたいと思います。ここでは、他の記事とも被りますが、「漢方薬全体」に関わる副作用と「麦門冬湯」に関する副作用の2つに分けて書いていきます。
漢方薬全般的に注意されている副作用
主な副作用として、頻度は不明ですが、発疹や蕁麻疹などが報告されています。これらの症状はアレルギーの可能性があり、飲み続けると命に関わることがありますので、発疹や蕁麻疹が出た場合は、飲むのをやめて直ちに受診するようにしてください。
アレルギーは、飲み初めて数時間以内に発生するものと、数日・数週間してから起こるものと様々です。飲んですぐではないからお薬のせいではないと思い込まずに、初めて飲む場合には可能性も考えて飲むようにできると、麦門冬湯に関わらず安心ですね。
また、まれに起こる副作用ではありますが重大な副作用として、間質性肺炎、偽アルドステロン症、ミオパチー、肝機能障害などが報告されています。高熱が続く、息切れ、息がしにくい、おしっこの量が減る、顔手足のむくみ、手足に力が入らない、手足がしびれる、皮膚や白目が黄色くなるなどの症状が出てきたり、他にも気になる症状があったりする場合には、早めに医師や薬剤師に相談してくださいね。
麦門冬湯でとくに注意したい副作用
麦門冬湯の配合生薬の中で注意が必要なものは、漢方薬の中でも重要や役割を果たしている「甘草」です。
実は、「甘草」自体に、喉を潤したり痛みを和らげる作用があるため、咳症状などに使用される漢方薬に含まれていることが多いです(例:麻杏甘石湯、清肺湯など※細かい目的はそれぞれ異なります)。そのため、ドラッグストアなどでご自身で購入する場合などに重複して服用してしまう可能性が出てきます。甘草を含む漢方薬を重複して飲んでしまうと、副作用が起こるリスクが高くなってしまいます。
重複の有無に関わらずとも、甘草の成分であるグリチルリチンによって、偽アルドステロン症という副作用が引き起こされてしまう可能性がありますので、万が一、手足のだるさ、しびれ、こわばり、頭のおもだるさ、力が抜ける感じ、筋肉痛、こむら返りなどいつもと違う気になる症状が現れた時には放置せずに医師・薬剤師に連絡してください。1
M子からのワンポイント
病院、薬局勤務時のどちらにおいても、漢方薬で副作用を起こした患者さんに出会った経験は、M子は数少ないです。
漢方薬はそもそも安全性が高く副作用が起きにくいとも言われています。ただし、必ずしも副作用が起きないとは言いきれません。飲み初めて肝臓の数値が悪くなったり、心臓の持病をお持ちの方で、K(カリウム)やNa(ナトリウム)などの電解質のバランスが崩れていたりしたときに、漢方薬による副作用を懸念して医師に相談し、漢方薬が中止または変更になったことがありました。
安全性が高いといわれている漢方薬ですが、副作用が起こる可能性があることを忘れず、必要以上に飲み続けないことも大切だと思います。その点にも注意しながら、患者さんとお話させていただいています。
まとめです
ここまで、3回にわたって麦門冬湯について書いてきました。以下に簡単にまとめを書いてみます。
最近ではドラッグストア等で、病院の診察なしに漢方薬を選べる機会も多くなりました。OTCの漢方薬を選ぶ際の注意点については、小青竜湯の記事でまとめているので、ぜひ参考にしてみてください!
咳が落ち着いて、家族皆で元気にすごしたいですね!
辛い咳が、はやく良くなりますように☆
ママ薬剤師M子
【参考文献等】
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