小児の漢方薬服用時のポイント!経験を基にママ薬剤師が解説!

no11_Kanpo_sho2_icat OTC・一般薬
この記事は約6分で読めます。
スポンサーリンク

ママ薬剤師M子です。前回は、漢方薬の証について書きましたが、今回は、小児(子ども)に漢方を服用してもらうときの注意点を書いています。皆様のお役に立てば幸いです。

本記事にはプロモーションが含まれます
スポンサーリンク
ご訪問ありがとうございます。当サイトは一般的な情報を基にM子の知見を加味して書いております。また、免責事項をよくお読みの上、当サイトをお楽しみください。

小児の漢方薬用量の目安は?

小児の用量は大人とは異なり、一般的には、年齢と体重の指標で以下の投与量に換算されます。ただし、急性の発熱など、症状によってはもっと多い量を処方される場合もあります

年齢指標の場合

  • 9-12歳程度:ほぼ成人量 
  • 6-8歳程度:成人の1/2-2/3
  • 2-5歳:成人の1/3
  • 乳児:成人の1/4-1/5 12

実は、小児の漢方薬の用量は、実は明確な定めがあるわけではないのです。そのため、処方する医師によってもかなり幅があります。

小学生は成人量の約1/2、幼稚園は約1/3、それ以下は約1/4とざっくりした目安で処方されていることもあります。そのかわり、副作用が起きていないか確認することを重視される傾向もあるようです。

体重指標(エキス剤の場合)の場合

体重1kgあたり0.1kgー0.2g(成人量7.5g/日の場合)

ママM子
ママM子

M子は薬剤師ではありますが、子供に漢方薬が処方されたときには、多すぎないかが気になってドキドキします。この換算方法がわかれば、ママとして簡単なチェックができて安心できそうですね。実際に、医師が処方するときに、誤って大人の処方量と同じg数で処方したりすることがあるので、念のため知っておくことは大事だと思って掲載しました。

スポンサーリンク

小児への漢方薬の飲ませ方の工夫

漢方薬は、西洋薬のドライシロップなどと違って、わざと甘く飲みやすいように味付けがされているわけではありません。

ママM子
ママM子

漢方薬独特のにおいや、生薬の種類によっては苦みや酸味が強かったりして飲みにくいこともあります。そのため、ママとしては、飲ませるのが一苦労ですよね。

飲ませやすいのは(個人差はありますが)、赤ちゃん期と、必要性が理解できてくる4,5歳以降くらいになります。その間の、1歳前後から3歳くらいまでは、薬の臭いや味に敏感で、自我も発達する時期のため嫌がりやすく飲ませにくいことが多いです。

そのまま飲んでくれるのが一番ですが、M子も苦労した、主に幼児期の漢方薬をどのように飲ませたかについてご紹介したいと思います

子どもに漢方薬を飲ませるときの工夫とは?

一般的によくされている工夫としては、

服薬補助ゼリーを使う
②アイス(バニラやチョコ)、ヨーグルト、飲み物(リンゴジュース、ヤクルト、ココア)などの食品に混ぜる。

ママM子
ママM子

有名どころは「おくすりのめたね」かなと思いますが、先日あの「ねるねるねるね」の服薬補助バージョン(おくすりパクッとねるねる メロンソーダとイチゴ)が出たと聞いてびっくりしています。漢方薬もOKのようなので早く試してみたいです。

ではないかと思います。①、②が難しいときは、以下の方法も選択肢として上がってくると思います。

③他の処方薬と混ぜる。
(味付けとしての「単シロップ(砂糖シロップ)」や、カルボシステインやアンブロキソールは風邪などの時によく処方されるのですが、とくに甘くて飲ませやすい)

④家にある食品(練乳やはちみつなど)に混ぜる。

漢方薬を子どもに飲ませるときの注意するポイント

前述までの飲ませ方での注意するポイントを下にまとめてみました!

かなり注意が必要

はちみつを使うときは1歳未満は×。
・ヤクルト、ヨーグルト、バニラアイスクリーム、練乳は乳製品のため、乳アレルギーの方は避ける。

飲ませるときの調味のコツ

・漢方薬と別のものを溶かして混ぜるときは、水では溶けないため、少しのお湯に溶かして数分待ってから混ぜると溶かしやすいです。
・単シロップは、心もち多いかなと思うくらいでも大丈夫(味見しておいしくなるポイントがあります。)
・リンゴジュースは漢方薬と相性が良いが、ミカンジュースは相性が悪い(味が悪くなる)ので×

M薬剤師
M薬剤師

はじめに変な味と自覚して失敗するとなかなか次飲んでくれなくなるため、大人がまず味見をすることが大切です。

M子の息子は、1歳以降で初漢方薬。ただし、服薬補助ゼリー拒否×ジュース拒否×でした涙(当時ジュースを飲ませていなかったからかもしれません)。結果的に単シロップで飲め、大きくなった今はチョコレートアイスで混ぜて服用できるようになりました。

3

小児で漢方薬を服用する際の注意点

飲ませ方などを書きましたが、ここからは、かならず気を付けないといけない注意点です。

まず第一に、小児への漢方薬の服用は、安全に行うために、必ず医師や薬剤師の指導のもとで行ってください!そして、何か異変があった場合や分からない点は、必ず医師などに確認するなどしてください。

  • 副作用が発生しないかよく観察する

漢方薬は、比較的安全な薬であり、小児は大人よりも副作用が現れにくいと言われていますが、まれに重大な副作用が起こることがあります。自覚しやすい症状としては発疹、食欲不振、便秘などがあります。

  • 併用薬に気を付ける

漢方薬は、西洋医学の薬と併用することもよくあります。ただし、漢方薬と併用することで副作用が起こりやすくなることもあります。

とくに注意しておきたい生薬成分としては、甘草、麻黄、附子などがあり、甘草に関しては、実に多くの漢方薬に含まれているため、効果の反面、注意が必要です。

  • 保管方法に気を付ける

子供用の、個包装の処方せん漢方薬はないため、大人の漢方薬を開封して、医師の指示通りの重さになるように量っています。漢方薬は湿気に弱いので、保管するときには注意が必要です

子どもは、何が原因で調子が悪くなるか分からないことも多いです。漢方薬は読み方が特殊で覚えにくいこともありますので、「おくすり手帳」や、「薬局で渡されたお薬の袋」などを写真に撮っておくと、万が一に備えられることが多いと思います。

まとめと薬剤師M子の感想

小児は、大人と異なり、適切に治療が行われれば、効果がはっきりあらわれやすいと言われています。実際、体質に合った漢方薬を服用することで、これまで悩んでいた症状が一転して、健康な状態を維持できることがあります。

まずは、処方された漢方薬を飲ませることが、最初の課題ですね。

子供さんの年齢や、そのまま飲めそうにないときは味の好みなども考えながら、まずは一歩踏み出してみてください。医師・薬剤師の指示を守って服用していただきたいことはもちろんですが、神経質になりすぎず、飲めたらラッキーくらいで試してみてください。

また、小児の体質は、成長とともに変化していくことまた、成長の変化が著しいため、その時の小児の体質・体調に合った漢方薬が医師により選択されます。

そのため、飲ませたことのない漢方薬が急に処方され、驚かれることがあるかもしれません。処方された漢方薬の目的や特徴、注意点などの説明を医師・薬剤師から聞きつつ、子供の成長・体質の変化にも寄り添っていけるといいですね

最後までお読みいただきありがとうございます。
よろしければ「証」についても記載したページもご参照ください。

ママ薬剤師 M子

【参考文献等】
  1. 広瀬滋之 [小児科領域と漢方医学] p5 []
  2. [Von Harnackの小児薬用量表] []
  3. 松本康弘 極める!小児の服薬指導 日経ドラグインフォーメンション編p81-85[]

コメント

タイトルとURLをコピーしました