こんにちは。マミムメデイ薬剤師M子です。
今日は、薬剤師としてよく聞かれる「ロキソニンとカロナール」について記事をかいてみました!3回に分けて、①「ロキソニン」と「カロナール」の効き方・飲み方、②「カロナール」の飲む量とその効果、③「ロキソニン」と「カロナール」の妊娠と授乳の時に使える?について記事書いていきたいと思います!
「ロキソニン」と「カロナール」は、ここ3年間で特に有名になった気がしますので、ご参考までに!
解熱鎮痛薬の飲み方問題
解熱鎮痛薬(よく患者さんがいうのは、「痛み止め」薬)は、頭痛、腰痛などの各種痛みの緩和や熱を下げる際によく使われる薬の総称です。
その中でも有名どころの2つといえば、ロキソニン(一般名:ロキソプロフェン)とカロナール(一般名:アセトアミノフェン)。OTC(Over The Counter=お薬の業界では処方薬を一般の人が薬局で買える制度)にもなっていますし、みなさん聞かれたことはあるのではないでしょうか。
いつもは、ロキソニンとカロナールを、それぞれ、一般名のロキソプロフェンとアセトアミノフェンと書いていますが、今回はより身近な商品名で書いています。
どちらも、痛みをとったり熱を冷ましてくれたりと、苦痛をすっと和らげてくれるので、とてもありがたい薬です。
これらの薬に関しては、薬剤師や医師の方から注意事項として、「①必ず食後に服用してください。」と「②2回目以降を続けて飲む場合は間隔を5~6時間あけ、使いすぎに注意してください。」といった説明が必ずと言っていいほどあると思います。
ロキソニンとカロナールは何が違うの?というところで、作用の違いから服用間隔まで解説していきたいと思います。
ロキソニンとカロナールの効き目の違い
さきほど、「①食後に服用してください。」「②2回目以降を続けて飲む場合は間隔を5-6時間あけ、使いすぎに注意してください。」という説明を使いましたが、ロキソニンとカロナールは違う薬なのでこの2つには違いがあります。
①解熱鎮痛剤の食後服用について
「①食後に服用すること」ついては、ロキソニンとカロナールの作用の仕方が全く異なるため、結論からいうと、ロキソニンに当てはまり、カロナールは必ずしも当てはまらない!のです。
何で?と思われる方のために、カロナールとロキソニンの効果について書いていきますね。作用について誤解がないように本に書いてあるように難しめに書いてます。(大丈夫です。下に簡単に書いてますから!)
「カロナール」は体温調節中枢に作用して皮膚血管を拡張し解熱作用を、また視床と大脳皮質に作用して痛覚閾値を上昇させ鎮痛作用を現すと考えられていますが、その作用機序は必ずしも明らかになっているとは言えません。
「ロキソニン」の作用の仕方は、難しいことを言えば、シクロオキシゲナーゼ(以下、COX)-1およびCOX-2という物質の働きを抑えることで、アラキドン酸という物質から、痛み、発熱、炎症のもとであるプロスタグランジンという物質が出来るのを抑えます。そして①熱を冷ます、②炎症を鎮める、③痛みを和らげるという、この3つのありがたい作用を示します。これは主にCOX-2の働きを抑えることで効果がでます。しかし、もともと体を保つために機能してくれているCOX-1の働きも一緒に抑えてしまうため、胃の粘膜を傷つけたり、腎臓の働きや血小板の働きを邪魔したりすることがあり、時として致命的な出血を起こしてしまうことがあります。
ロキソニンの作用・副作用の起こり方について絵にまとめてみました
そのためロキソニンは胃が荒れやすいので食後に服用する必要がある。一方で、カロナールは、食後が必須ではなく、食事をとれない外出時などでも、水があれば服用OKです。
もし、長い期間飲むことになったときに、胃薬代の負担を考えると、ロキソニンの方が高くつくことになりそうですね。カロナールで痛みがとれるとありがたいのにと思ってしまいます。でも、カロナールの痛み止め効果、捨てたものではありません。
②解熱鎮痛剤の飲む間隔について
「2回目以降を続けて飲むときには、間隔を5-6時間あけ、使いすぎに注意してください。」について書いていきます。
「ロキソニン」の場合、作用時間である6時間程度は体内から無くなっておらず、胃・腎臓・心臓などへも負担がかかりやすいことを考えると、追加で服用しない方がいいということになります。
ちなみに効き始めるのは服用してから20-30分程度と、他の鎮痛薬と比べると早い薬です。また、痛みの種類によって、頓服的に1回に2錠まで服用できる場合があります(医師の指示の元ですので、自己判断で追加することは危険ですので知識だけのお話です)。
この場合は、30分程度たってから効果が薄いようであれば追加服用することもできます。しかし、基本的には1日3錠までとなっていますので、特別な指示がない限りは追加で服用しないようにしましょう。
「カロナール」は、先ほど書いたように、作用機序が全くことなるという点、カロナールでの胃腸障害はほとんど報告されていないという点から、必ずしも間隔を開ける必要はありません。
なので、ロキソニン服用後に痛みが出てきたら、その時点でカロナールを服用して問題ないと思われます。もともと胃腸が弱い方で、どの薬でも負担になりそうな方は食後の方が良い場合ももちろんあります。ちなみにカロナールを服用した後、またカロナールを服用する場合は、間隔は4-6時間以上あける必要があります。
ロキソニンとカロナール飲み方の「まとめ」
上に図でまとめてみました!
今までの説明から、「ロキソニン」と「カロナール」を同時に飲む場合には、間隔を空ける必要は必ずしもありません。「ロキソニンを飲んで、痛みが続くから、ロキソニン」や「カロナールを飲んで、痛みが続くから、カロナール」といったように、同じ薬を2回続けて飲むときは、頓服的な特別な追加指示がない限り、間隔を空けて飲む必要があります。
いつも書いているのですが、濫用(むやみやたらに使う事)はだめですが、痛いときには痛みを抑える必要があると思います。病院を受診した時に、自身の痛みの感じ方なども医師・薬剤師のかたに伝えることも大事ですね!
普段何気なく処方される鎮痛薬を、自信をもって正しく使用して痛みを和らげ、快適に過ごせると良いですね!
最後までお読みいただきありがとうございました。
薬剤師M子
コメント