こんにちは。ママ薬剤師M子です。今回は、うがい薬の効果とその特徴についてお伝えしていきたいと思います。特に、うがい薬の「イソジン」は有名ですが、実は「アズノール」という名前のうがい薬もあることをご存知でしょうか。

色だけで伝えると、「濃い茶色」が「イソジン」、「濃い青色」が「アズノール」です。
今回の記事 (うがい薬の効果と特徴)を書いた理由
暑い日が続いたりすると、クーラーをつけて寝ることも多く、子どもの体温に合わせているとM子はよく喉が痛くなります。
夫は暑がりなので子どもと同じ気温の調整で問題なさそうですが・・・世の中のママさんで同じ思いをされている方もいるかなと、のどの痛みに効くと言われる、マスクで保湿、飴玉、ハチミツ、漢方薬・・といろいろ思い浮かびましたが、今回、薬剤師としてうがい薬に焦点を当てたいと思います。
うがい薬、ただうがいするだけの使い方で簡単なお薬と思われているかもしれませんが、意外と違いを知らずに使い、使い方を誤ってしまうと、とくに小さなお子さんや持病を持っている方などに悪い影響を与えかねないお薬でもあリます。今回、うがい薬を安全に使っていただくため、記事にしました。
うがい薬の有名どころ!イソジンとアズノールの効果
早速ですが、冒頭でも紹介したイソジンとアズノール。どちらかは、風邪などで1度は処方されたことがあのではないでしょうか?この2つ、うがい薬といえども、全く異なる作用を持っています。
うがい薬:イソジンの効果(成分名:ポビドンヨード、商品名:イソジンガーグル液7%)
イソジンは「ポビドンヨード」と言われる成分が含まれた製品で、以下の効果効能があります。
イソジンの効果効能:咽頭炎、扁桃炎、口内炎、抜歯創を含む口腔創傷の感染予防、口腔内の消毒

イソジンの成分名であるポビドンヨードとは、ポリビニルピロリドンという化合物とヨウ素の複合体のことで、殺菌力をもっています。また、ヨウ素のみよりも体への毒性が軽減されることがわかっています。
イソジンの効果
さまざまな細菌をやっつける殺菌効果と、ウイルス(インフルエンザ、風疹、アデノウイルスなど)の不活化する効果を併せ持つため、消毒や感染予防に用いられます。とくに免疫が弱って普段より細菌やウイルスに感染しやすくなっている状態のときに使われます。

イソジンの効果は、細菌やウイルス、真菌等に幅広く効果がありますが、皮膚や粘膜に対する刺激は比較的弱いことがわかっています。肌への負担を考えるとありがたいですね。
うがい薬イソジンの使い方
使い方は、1目盛(2~4mL)をコップ半分(60mL)に薄めて1日数回うがいする
※薄めすぎると効果が落ちるので注意が必要です。
うがいのポイントは、口や喉に付いてしまった菌やウイルスをやっつけるとともに洗い流すことが必要です。
①まずは、歯磨きの後のうがいのように「ぐちゅぐちゅぺー」を行ってから、口全体の菌やウイルスを吐き出します。
②そのあと、喉にくっついている(ウイルスや細菌は喉について増えていきます)ものをガラガラうがいでしっかりやっつけます。
やっつけるのに効果的な時間は30秒以上と言われていますので、普通のうがいよりは丁寧に行う必要があります。

うがいするときには、後ほど紹介するアズノールと共通ですが、「上を向いて歌を歌いながらうがいをする」とか「首を右左に傾けながらするとよい」と言われることもあります。ただし、茶色いイソジンは、飛び散ると色素が衣類についてしまうことがあるので気を付けてくださいね。
うがい薬:アズノールの効果(成分名:アズレンスルホン酸ナトリウム、商品名:アズノールうがい液4%、含嗽用ハチアズレ顆粒)
アズノールは「アズレン (アズレンスルホン酸ナトリウム)」という成分が含まれた製品で、以下の効果効能があります。
アズノールの効果効能:咽頭炎、扁桃炎、口内炎、急性歯肉炎、舌炎、口腔創傷

アズノールの有効成分であるアズレンとは、キク科植物のカミツレから生成された抗炎症作用を示す有効成分の青色の油からアズレンと名付けられたそうです。現在では、とくに効果の高いアズレンをもとに化学合成されたアズレンスルホン酸ナトリウムを有効成分とする製剤が多く販売されています。
アズレンの効果
アズノールは炎症を抑える効果と、傷の治りを促す効果があり、口や喉の粘膜に炎症がおきている状態である口内炎や咽頭炎などの場合に使われます。
うがい薬アズノールの使い方
使い方は、5-7滴をコップ半分(100mL) 程度に薄めて1日数回うがいする。
アズノールでのうがいのポイントは、痛みや炎症がある部分にお薬が直接当たる必要があります。
①まずは、歯磨きの後のうがいのように「ぐちゅぐちゅぺー」を行ってから、口全体の汚れを吐き出します。
②そのあと、痛みや炎症がある個所にあたるように、ガラガラうがいでしっかりうがいをします。
アズノールは、滴数が多すぎると泡立ちすぎて、うがいどころではなくなります。適量を守って使用することが大切です。

アズノールはのどの痛みだけではなく、口内炎でも使われます。その場合は、ガラガラうがいではなく、口に含んで口内炎の個所に当たるようにぐちゅぐちゅゆすぐようにすると、より効果があらわれやすいです。
うがい薬のイソジンとアズノールの使い分け
ここまでにご紹介した通り、「イソジン」と「アズノール」では効果効能が異なります。
一部ブログなどで、「うがい薬は効果がない」と記載されているものもありますが、人によるところも大きいと思いますが、M子は使い分けを行うことで効果を実感している一人です。
使い分けとしてのポイントは、”「イソジン」は [殺菌] 効果で予防し”、”「アズノール」は [抗炎症] “効果で腫れを鎮める作用をそれぞれ持っていることです。
つまり、風邪をひいて喉が痛くなってから「イソジン」を使っても目的とはズレてきます。その際は、逆に荒れている個所を鎮める「抗炎症成分」が含まれている「アズノール」を使うことが適切といえます。
イソジン(OTC)の添付文書(参考1)にも記載がありますが、「イソジンうがい薬は、有効成分ポビドンヨードの殺菌、消毒効果と、うがいによる洗浄効果により、口腔内及びのどの殺菌・消毒、口臭の除去にすぐれた効果を示します」と、殺菌はするが、うがいは洗い流すことがメイン。
一方、アズノール(OTC)の添付文書(参考2)は「口腔・咽喉のはれ、口腔内の洗浄」と、はれを取ることがメインです。
うがい薬のイソジンとアズノールで注意すること(副作用など)
イソジンの副作用
イソジンの副作用は主に以下のものがあります。
報告されている副作用は吐き気、口内刺激、不快感、口内のあれ、口腔粘膜びらん、口腔内灼燃感、発疹などです。初めて使用したときに違和感を感じたときには使用をやめて受診するようにしましょう。

副作用ではありませんが、イソジンは傷口や火傷には使用できません。傷の治りを遅らせてしまう可能性があるため、抜歯後すぐも使用を控える必要があります。

M子の経験になりますが、実際、甲状腺機能に疾患がある方には医師は使用を控えることが多い印象です。
アズノールの副作用
アズノールの副作用は主に以下のものがあります。
報告されている副作用は口中のあれ 、 口腔刺激感 、 咽頭刺激感がありますが、これ以外にも治りが悪かったり逆に症状の悪化などがある場合には使用をやめて受診するようにしましょう。
イソジンのような、甲状腺機能低下症の方に使えないなどの注意点はないことが嬉しい特徴です。
また、医薬品のイソジンとアズノールは、コップに入れるときの入れ方が異なります。
イソジンはプッシュ型のため、ボトルの横を押すと液が出てくる一方で、アズノールはノズル部分を押すことで出てきます。とくにアズノールは、滴下部を下にして液をためてからノズル部分をおすとすんなり出てきます。意外と、滴下部を上にしたままプッシュして出てこない・・となる方が多いです。
そして、2種類の成分どちらにも言えることですが、薄めずに使用すると刺激が強すぎるため、必ず指示通りに薄めてから使用するようにしましょう。

それぞれに注意点がありますね。イソジンは成分にヨウ素が含まれているため、甲状腺機能に疾患がある方はとくに注意がです。M子娘は先天的な甲状腺機能低下があるため、イソジンは今後も使用できないと思います。
まとめと予告
今回は、うがい薬のイソジンとアズノールの効果とその特徴についてお伝えしました。
今回のポイントを最後におさらいしておきましょう!
📣 次回予告 📣
さて、今回はイソジンとアズノールの基本的な効果や違いについてお話ししましたが、次に気になるのは「子どもにはどうやって使ったらいいの?」「妊娠中や授乳中に使っても大丈夫?」ということがあるとおもいます。次回は、そんなママ・パパの疑問にお答えします!
誰かのお役に立ちますように。 ママ薬剤師M子
【参考文献等】
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